サッカー通じ日中交流事業

 サッカーの元中国代表で、一般社団法人V・V・NAGASAKIスポーツクラブの国際戦略アドバイザーを務めた呂洪祥さん(57)が今夏、スポーツを通じた日本と中国の交流事業をスタートさせた。長崎市を拠点に合宿誘致や留学生受け入れなどにも取り組む予定で、「お世話になった長崎のために、友好の輪を広げていきたい」と意欲を見せている。

 呂さんは1980年代に中国代表DFとして活躍。Jリーグの前身、日本リーグの富士通(現J1川崎)、東京ガス(現J1FC東京)でもプレーした。2015年春、V・V・NAGASAKIの国際戦略アドバイザーに就任。今年6月まで、ジュニア層のサッカー交流試合やボート本県選手団の上海市への遠征などに尽力した。

 約2年間にわたって県民と関わり、人々の温かさや風土にほれ込んだ。「築いた絆を途切れさせるのはもったいない。今後も長崎の良さを中国に伝えていきたい」と一念発起。7月、交流事業を目的とした会社「日中友好体育振興株式会社」を長崎市内に立ち上げた。

 活動の第1弾として、8月に同市のサッカーチーム、長崎南山ジュニアを上海市に派遣。この冬には上海市と北京市の小学生約120人が県内で合宿を行う予定だ。

 13日午後7時から、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で、元中国代表選手らと県シニアリーグの選手らの親善マッチを開催する。11日は長崎市内のホテルで歓迎パーティーがあり、日中の選手ら約40人が「さわやかな汗をかき、楽しい試合をしよう」と健闘を誓った。

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