JFE、厚板の輸出拡販 製品検査・出荷含め体制強化

 JFEスチールは厚板の輸出を拡販したい考えだ。JFEの厚板ミルは(1)西日本製鉄所福山地区(2)同倉敷地区(3)東日本製鉄所の京浜地区―の3基。厚板3ミルの生産数量は昨2016年度で計470万トン程度(スラブ装入ベース)。国内向け生産出荷が過半を占めており、輸出販売は35%程度となっているが、中長期的に海外需要の伸びを捕捉できる体制構築に取り組み、輸出比率を引き上げる方針。

鋼管用原板やインフラ向け

 将来的に厚板需要の増加が見込めるのは海外だ。資源・エネルギー分野では、JFEスチールから母材となる厚板を出荷して大径溶接鋼管を製造する3社合弁(年産能力24万トン)をすでにアブダビ(UAE)に設立。18年10月から稼働予定。19年以降の本格的な厚板輸出に対応する準備を進めている。

 海外インフラ分野でも販売増を期待している。これまでの実績としては、JFEエンジニアリングとミャンマー建設省との現地合弁会社、J&Mスチールソリューションズ(本社・ヤンゴン市)の鋼構造物製作工場向けなどがあり、JFEグループ企業との連携も生かして拡販を進めたい意向だ。

 ベトナムでは、JFEはハノイでゼネコンのアグリメコ社と建材加工商品販売合弁「アグリメコ&JFEスチールプロダクツ」を設立した。アジア地域主体に海外インフラ向け厚板販売を増やしたい考え。

 そうした分野で厚板輸出数量を増やすための、厚板の製造・検査・出荷といった国内基盤整備にも取り組む方針だ。

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