港湾運送・荷役業の大都、鉄スクラップ船積み開始 大阪港J岸壁で見学会開催

 港湾運送・荷役業の大都(本社・大阪市港区、社長・間口豪氏)は、大阪港・南港J岸壁から鉄スクラップの船積みを始めた。同岸壁には最大3万トンのスクラップが積載できる船舶が接岸可能であり、これにより大阪湾岸でもロット1万トン以上の船積みが可能になった。13日には現地見学会と懇親会を開催し、業界関係者ら約50人が参加した。

 懇親会冒頭、間口社長は日本が鉄スクラップ輸出国に転じる中、「輸出競争力強化に向け、(万トン単位の輸出ができる)大型船に対応する必要性が高まっていた。皆様方の協力で、ようやく岸壁使用許可を得ることができた」などと述べ、業界団体の支援に対して感謝を示した。来賓を代表し、黒川友二扶和メタル会長が挨拶し、「(遠国向けの鉄スクラップ輸出で)日中韓が競争しつつある中、タイムリーに万トンクラスの大型船が使用できるようになった」とし、さらに「これからは我々(スクラップディーラー)もそれに追い付けるよう、ヤードなどインフラを整えていく必要がある」と話した。

 J岸壁は長さ240メートル、水深12メートル。現在、在庫ヤードなどに使用できる敷地面積は約3千平方メートルだが、18年夏ごろにはさらに約4千平方メートルを拡大する予定。また、貨物を積み込んだまま税関検査ができる本船扱い(通関)については大阪税関に認められている。

 これまで大阪湾岸からのスクラップ輸出の最大ロットは、使用する岸壁に制約で約5千トンにとどまっていた。ベトナム向けなど遠国向けが増える中、大阪湾岸からでも万トン単位の輸出する必要性が高まっていた。大都がJ岸壁でスクラップの船積みを手掛けることで、これが解消され、関西地区における鉄スクラップ輸出の競争力が高まることになる。

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