三菱重工環境・化学エンジ、有明清掃工場の改良工事を受注 長寿命化、省エネ化を実現

 三菱重工環境・化学エンジニアリングはこのほど、東京都の23特別区で構成される東京二十三区清掃一部事務組合から、有明清掃工場の基幹的設備改良工事を受注した。受注額は約32億円。日当たり処理能力400トンのストーカ式焼却炉を改修し、長寿命化するとともに省エネ化を図る。完工は2020年2月の予定。

 本施設は三菱重工業の設計・施工により1995年12月に完成。日当たり処理能力200トンのストーカ炉2基および関連設備で構成され5600kWの発電能力を備える。今回受注した焼却施設の改良工事では経年劣化した焼却施設の給じん設備、灰処理設備、汚水処理設備、通風設備、煙道設備、集じん設備、電気計装設備、給水設備などを対象に主要機器の更新と改善を行う。

 また、排ガス処理設備はバグフィルターの負荷(圧力損失)低減に伴う消費電力削減や各種電動機に高効率モーター、インバータを採用することによる省エネ化を実現。CO2排出量を年間3%以上削減することで地球温暖化抑制にも貢献する。

 近年、一般廃棄物焼却施設の長寿命化と同時に温暖化対策を施す改修・改良工事は増加傾向にある。国も15年度に関連する交付金支援制度を創設しており、さらに活発化している。

 同社は三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを08年に継承。多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとしている。

 今回の受注とこれまでの実績をベースに今後、既存廃棄物処理施設の省エネ化や安定稼働の維持・向上、さらに維持管理費などを含めたライフサイクルコスト低減に向けた提案を積極的に推進し、受注拡大を図っていく方針。

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