JFEエンジ・事業企画本部、20年度売上高500億円目指す 電力ビジネス、売上げ倍増へ

 JFEエンジニアリング(社長・大下元氏)の事業企画本部は2020年度の売上高500億円を目指す。収益の根幹となる運営ビジネスの創出など組織の枠を超えた事業を展開。電力ビジネス事業の売上高を17年度比倍増の400億円とする方針。14日には本部長の能登隆常務執行役員が横浜本社で会見し、事業の展望を語った。

 事業企画本部は組織・商品をまたいで新規ビジネスを企画する事業企画部と電力ビジネス事業部、発電エンジニアリング本部の一部を統合して今年4月に新設された。企画部と総合研究所、電力ビジネス事業部で構成され構成員は約100人。「プラントの単なる〝売り切り〟ではなく運営へ発想を転換させ事業展開を図る」(能登常務)。

 企画と技術の融合により新規ビジネスを迅速に創出していくほか、電気や熱のみならず上下水やガスを組み合わせた総合的なエネルギーサービスによりワンストップでのエネルギーソリューションを目指す。「電力ビジネスを軸としたユーティリティビジネスへと飛躍させたい」。ごみ焼却施設で発生する廃熱と下水汚泥の乾燥を組み合わせるなど既存商品を組み合わせた複合EPCの提案・推進も積極的に行っていく。

 企画部では、2020年度までに1件10億円規模の事業化案件10件を達成していく。また、電力ビジネス事業部ではあらゆる再生可能エネルギーの新規発電所建設も検討するほか全国数十カ所で地域エネルギー会社を設立。地域PPS(新電力会社)などPPS事業を拡大させ電力小売の規模を20年度には17年度比20万キロワット増の50万キロワットとする計画。こうしたノウハウを東南アジアなど海外でのインフラ更新などに活かしていく方針で、AIなどを活用した需給管理システムの開発・改良を「年間数千万円をかけて行っていきたい」とする。

© 株式会社鉄鋼新聞社