2018年のF1パワーユニット基数制限をラウダが批判「3基に減らしてもコスト削減にならない」

 メルセデスF1チームのノンエグゼクティブチェアマンであるニキ・ラウダは、物議をかもしているF1のグリッドペナルティシステムに照らして、2018年にパワーユニットの使用数を現在よりさらに制限するという規定の変更は大きな誤りだと考えている。

 2018年、F1はひとりのドライバーが1シーズンを通して使用できるパワーユニット数の上限を現行の4基から3基に減らすことを予定している。これは、グリッドペナルティシステムがもたらしているひどい影響をさらに悪くする動きでしかないとして、レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーが強く批判しているものだ。

 ラウダも、この予定されている4基から3基へのパワーユニット数削減は、F1ストラテジーグループによる間違った考えであるという点でホーナーの意見に同調している。

 ラウダは、ドイツのAuto Motor und Sportの取材に対して「パワーユニットのコストを削減するには製造数量を減らすしかない、と誰もが言っていた」としたうえで、以下のように語った。

「だが我々はずっと以前から、パワーユニットを3基に減らしても何の節約にもならないということはわかっていた」

「なぜなら試作品開発の方がよほどコストがかかるからだ」

 批判の多いペナルティシステムについては、今年からF1のCEOを務めるチェイス・キャリーも注目している。

 キャリーは、シンガポールGPの週末、AFP通信に対して「現在のペナルティシステムの構造は、もはやそれでは我々が望む機能を果たせるとは誰も思えないものになり果てた」と語った。

「モンツァでは、予選で好調だったマシンを含めてグリッド全体の半数のマシンに対して誰も納得できないような降格ペナルティが科せられた」

「(F1において)技術は重要な要素のひとつだが、エンジニアリングが最優先にされる競技になってはいけない」

「高い技術水準がドライバーたちや高レベルの争いに役立つ、そうした競技であるべきだと思うのだ」

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