【非鉄流通のいま】〈エム・ケイ・コーポレーション〉非鉄金属をリサイクル 機械化5工場で最適処理

 エム・ケイ・コーポレーション(本社工場・兵庫県三木市、社長・齊木孝介氏)は2009年設立の非鉄金属原料問屋。従業員は27人。同社の強みは、1万4200平方メートルの敷地に5工場を展開しており、機械化が徹底されていることだ。銅・アルミ・電線・レアメタル・雑品など品目ごとに重機・車両・機器類(成分分析計・放射線探知機)も駆使し最適に処理していることにある。月間扱い量は3千トン(内訳は銅1千トン、アルミ1千トン、電線・ステンレスなどその他1千トン)。

兵庫県の本社工場

 「創業から一貫して貴金属・非鉄金属など再生資源原料のリサイクル事業を手掛けてきた。引き続き顧客に満足してもらえるサービスを提供したい。全体の約1割の月300トンはアジアに輸出している。今後は輸入数量を高め、国内外で販売増を目指す」(齊木社長)。

 5工場はそれぞれ特長がある。本社工場は主にアルミや銅を圧縮機や切断機で中間処理し、第2工場ではさまざまな形状・種類のアルミや亜鉛を集積・保管している。第3工場はステンレスの切断処理や銅・真ちゅう・砲金などの選別・保管を、第4工場では剥離機で被覆電線から導体を取り出す。

 「第5工場では大型ナゲット設備で被覆電線を粉砕し、銅ナゲットと被覆チップを分別している。同設備の処理能力は1日20トン。一方、4年前には1億2千万円を投じ本社工場屋根に太陽光発電装置を設置、会社の利益に貢献している」(同)。

 エム・ケイ・コーポレーションは韓国・京畿道華城市に駐在所を置く。グループ会社では非鉄金属・貴金属原料加工再生業のチム・コーポレーション(本社・兵庫県三木市、社長・齊木敬太氏、従業員8人)を持つ。「隣接地が取得できれば、切断機や焼却炉を新たに導入したい」(同)。

 黒字体質は確立済み。課題は人材の確保と営業強化の2点。外国人2人を採用し人手不足を補っているが、人員はさらに増やしたい。営業マンのスキルアップは自社で鍛える方針。「中国の輸入規制が強まっている。国内回帰は今後、強まると見ている。いずれにしても地道にやっていくしかない。原料問屋は世の中に必要とされる商売。厳しい需要環境下だが、生き残り、社会に貢献していきたい」(同)。(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=2千万円

 ▽本社工場=兵庫県三木市福井2283―2

 ▽社長=齊木孝介氏

 ▽TEL=0794―83―0791

 ▽主な扱い商品=非鉄金属・貴金属原料、リサイクル、太陽光発電売買

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