広島メタル&マシナリー、ダイクレの傘下に 多方面でシナジー発揮へ

 広島県呉市に主力生産拠点の広製作所を置き、特殊鋼ブルームや鋳鋼品、化学・環境機械を製造する広島メタル&マシナリー(以下HMM、本社・東京都新宿区、社長・川口敬一郎氏)は22日、地域経済活性化支援機構(以下REVIC)による支援を終了、併せてグレーチング大手で熱交換機事業なども手掛けるダイクレ(本社呉市、山本浩社長)の子会社となりグループ入りしたと発表した。今後、製造・物流面など含め多方面でシナジー効果を発揮する構え。

 HMMの前身である旧寿工業は子会社のアジア特殊製鋼が自己破産して多額の債務が発生したため、2014年に吸収分割方式で新会社・寿工業へと事業を引き継ぎ、REVICによる再生支援を受けて再建を進めてきて、16年に現社名に社名変更した。

 このたびHMM現経営陣が設立した特別目的会社がHMMの株式の94・5%を保有するREVICの全株式を買い取り、残る株式もその他株主から取得した。この特別目的会社には地元の銀行に加え、出資の過半をダイクレが支援したことで、実質的に子会社化した。

 HMMは川口社長以下、現経営陣が経営を続行する。川口社長は「資金面以外にも、ダイクレさんの国内外の営業ネットワークなども活用していきたい」。

 山本社長は「中身は違うが同じ製造業であり、一緒にやることでシナジー効果を発揮できるし、呉市を中心とした地域経済にとってもプラスになる」と話している。

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