豪州SC:2018年投入の新型『ホールデン・コモドアZB』がシェイクダウン

 レンダリング画像が公開され、ミュールカーによる新型直噴V6ターボの実走テストも開始されている、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー向けNext-Gen(Gen.2)規定の新型『ホールデン・コモドアZB』が、初のシェイクダウンテストを行った。

 オーストラリアはゴールドコーストにある、ノーウェルのトラックに初めて姿を現した次期型ホールデンは、ホールデン・レーシングの新たなワークス指定チームとして活動するレッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)、トリプルエイト・レースエンジニアリングがシェイクダウンを担当。

 VASCで6度のタイトル獲得経験を持ち、通算勝利数でも歴代最多の106勝を誇るジェイミー・ウインカップがそのステアリングを託された。

 ドイツで生産されるこの新型コモドアのベースモデルは、クイーンズランドにあるRBRAのファクトリーでVASCの共通シャシーに向けたボディ・フィッティングの最終作業が終了し、先週木曜に60kmの初テストを実施。

 これまでの伝統的なサルーンボディとは異なり、5ドアハッチバック(ファストバック)となったベース車に合わせて、巨大なリアウイングステーはそのハッチゲートのリッドに接続される、独自のアピアランスとなっている。

 レッドブル恒例の「ブラック&ホワイト」のテストカラースキームをまとった新型ホールデンを前に、チーム代表を務めるローランド・デーンは「デザイン、開発、ホモロゲーション取得の作業には重大な責任が伴うが、同時にとてもエキサイティングなタスクだ」と語った。

「この次世代規定マシンの全体的な外観は、これまでの伝統的サルーンモデルとは大きく異なったものになった。我々のここまでの仕事がどのレベルにあるか、トラックを走り始めたマシンを慎重に観察しなくてはね」とデーン。

「今季は現行型コモドアVFと並行して、この新型コモドアZBの開発を行ってきたが、チームにとって本当にハードなシーズンになった。もちろん、新車の開発に全力で取り組んできたし、シーズン終わりまでには、その述べ作業時間は2万時間を超えることになるだろう」

 一方、そのステアリングを握ったウインカップも、ワイルドカードとして来季投入が決まっている新型V6直噴ターボの作業と合わせて、チームの開発能力を称えた。

「チームの全員が、この新型コモドアのシェイクダウンにこぎつけるため、夜通しオイルと情熱を燃やし続けて今日の日を迎えたんだ」とウインカップ。

「現在のところ、マシンの感触は素晴らしいものだ。シェイクダウンテストとしては99%の出来と言っていいだろう。2018年モデルのフルバージョンとして公開するまでに、今後数週間はさらなる開発と微調整を続けていくことになる」

 この新型コモドアZBはこの週明けにもアメリカ方式の”ストレートライン・テスト”で空力性能の評価と開発作業を行い、その後に全3回が設定されているマニュファクチャラー向けのホモロゲーションテストの最初の1回に挑む予定となっている。

 現行のVASC規定では、その3回のテストのうち2回はホームサーキットでのテストが義務付けられ、これはクイーンズランド・レースウェイで実施。残る1回は、シドニー・モーターパークかフィリップ・アイランドでのテストが予定されている。

 2018年施行予定のGen2規定に向け、最終的な空力仕様の決定は12月のエアロテスト後となり、その後にシャシーの量産を開始。V6直噴ターボはワイルドカード扱いとなり、初年度の来季はRBRAのみが数戦でテスト搭載するにとどまり、その他のラウンドではV8を継続使用。同じくホールデン陣営の多くのチームが、トリプルエイトから供給を受けるGen2シャシーに、現行V8搭載のマシンでシリーズを戦うことになる。

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