新日鉄住金エンジの新型免震装置、日本郵政の2施設で採用

 新日鉄住金エンジニアリング(社長・藤原真一氏)は25日、最先端の免震装置、球面すべり支承「NS-SSB」が日本郵政グループの郵便処理施設2案件に採用されたと発表した。日本郵政グループからの受注は初で、受注額は公表していない。同社では今年度、「NS-SSB」の受注額15億円を目指していく方針。

 採用されたのは岡山郵便局(岡山県総社市)に148台、神奈川西郵便局(神奈川県海老名市)に162台の計310台。日本郵政グループにおける各地域の基盤施設で、設計は日本郵政一級建築事務所が手掛けている。

 本製品は厚鋼板を球面加工した上部・下部コンケイブプレートにステンレス製のすべり板を一体化させ、その間にスライダーを配置。地震時にはスライダーが上部・下部のコンケイブプレート間で振り子のように移動し地震エネルギーを吸収しつつ建物を元の位置に回復する。建物重量の変化に免震性能が影響しないことが最大の特長。

 14年の販売開始以来、大型物流施設や共同住宅、病院、事務所ビルなどを中心に累計1千台を超える採用実績を積み重ねている。同社の試算による国内免震市場の規模は160億円程度で同社はそのうちの15%獲得を2020年の目標に掲げている。

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