巨人史上最強助っ人が敬愛するイチローに送る異名「Chosen One」の意味

今季で契約満了する背番号51が健在ぶりを示す中、マーリンズの地元マイアミに在住する“巨人史上最強助っ人”ウォーレン・クロマティ氏が、イチローの偉大さに改めて脱帽している。

ウォーレン・クロマティ氏【写真:編集部】

イチローの偉大さに脱帽「殿堂入りするべき選手」

 10月に44歳の誕生日を迎えるマーリンズのイチロー外野手は、終盤戦に一気にパフォーマンスを上げている。シーズン序盤こそ打率1割台に低迷したが、オールスター以降は9月27日現在、打率.305、出塁率.394と驚異的なV字回復に成功。ジョン・バンダーウォールが持つシーズン最多代打安打記録まで残り2本、メジャー通算安打でも歴代21位キャップ・アンソン(3081本)に2本と迫っている。

 今季で契約満了する背番号51が健在ぶりを示す中、マーリンズの地元マイアミに在住する“巨人史上最強助っ人”ウォーレン・クロマティ氏が、イチローの偉大さに改めて脱帽している。

「イチローはアメリカ野球に大きなインパクトを与えた。底知れないほどのインパクトをアメリカという国にも与え、アメリカの子供にも夢を与えてきたんだ。『自分たちもできる。あんな選手になりたい』とね。彼はチョーズン・ワン(Chosen one)。選ばれし者だ。殿堂入りするべき選手なんだよ」

 クロマティ氏は、今季メジャー17年目のシーズンを戦っている背番号51をこう絶賛した。

“巨人史上最強助っ人”がイチローに送った「Chosen One」という異名。それは特別な言葉だ。神に選ばれた唯一無二の才能の持ち主を意味する。NBAのスーパースター、クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームスは、自分の背中に「CHOSEN 1」とタトゥーで記し、その才能を自負する。クロマティ氏に言わせれば、メジャー移籍後1年目の2001年にMVP、新人王、首位打者、盗塁王など個人記録を総なめにし、10年連続でオールスター出場とゴールドグローブ賞受賞するなど、数々の金字塔を打ち立ててきたイチローは、バスケ界のキングのような存在だという。

「私はイチローにはマリナーズに戻ってもらいたいよ」

 今でこそ、米メディアやファンも、イチローが現役を引退すれば有資格1年目で殿堂入りを果たすと予想しているが、クロマティ氏はもっと以前から背番号51のクーパーズタウン行きを断言していたという。

「私は10年以上前にESPNで、こう発言しているんだ。『イチローが自分のなすべきことを続けたら、彼は米メジャースポーツで殿堂入りする初めての日本人選手になるだろう』と。当時はメディアでも多くの人がこの発言を信じようとしなかったね。オー・マイ・ガッドと信じられない様子だったよ」

 現役時代はモントリオール・エクスポズ(現ナショナルズ)で活躍したクロマティ氏は、現在は地元フロリダで子供向けの野球教室を展開している。以前はマーリンズの公式戦前に地元ラジオ局で「ハードボールトークwithクロマティ」という人気番組の司会も務めていたという。そんなマーリンズに馴染みの深いクロマティ氏の目にも、“選ばれし者”には帰るべき場所があると映っている。

「私はイチローにはマリナーズに戻ってもらいたいよ。引退するならシアトルがいい。彼はマリナーズの一員として殿堂入りを果たすのだろうから」

 このままマイアミに残るのか、クロマティ氏の願い通りにシアトルでキャリアに幕を閉じるのか。はたまた、まったく別の場所を新天地とするのか。今オフ、イチローの去就にも注目が集まりそうだ。(Full-Count編集部)

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