新垣さんら功績評価 横浜文化賞 地元ゆかり6人1団体表彰

 横浜市は、芸術や社会貢献、スポーツ振興などの分野で活躍する地元ゆかりの個人・団体に贈る2017年度横浜文化賞と、同賞の文化・芸術奨励賞の受賞者計6人と1団体を発表した。贈呈式は11月16日に横浜みなとみらいホール(同市西区)で記念コンサートとともに開かれる。

 横浜文化賞の「文化・芸術部門」は、テノール歌手の新垣勉さん(64)、歴史学者の五味文彦さん(71)、横浜少年少女合唱団の計2人と1団体。「社会貢献・スポーツ部門」は、駐日ブルキナファソ特命全権大使のフランソワ・ウビダさん(60)、横浜DeNAベイスターズスペシャルアドバイザーの三浦大輔さん(43)が選ばれた。

 中堅・若手を対象にした「文化・芸術奨励賞」は写真家の新井卓さん(39)とピアニストの阪田知樹さん(23)が受賞した。

 同賞選考委員会(委員長・窪田吉信横浜市大学長)が審議した。賞は1952年に創設され、今回を含めて299人、30団体が受賞。91年に設けられた文化・芸術奨励賞(前身の奨励賞含む)は40人、13団体が選ばれている。

 受賞者の功績は次の通り(敬称略)。

 新垣 勉(あらがき・つとむ)沖縄の歌や賛美歌を歌う、日本を代表するテノール歌手。生後間もなく失明し、壮絶な半生を送った体験から、小中学校などで命の大切さを伝える活動も続ける。

 五味 文彦(ごみ・ふみひこ)日本歴史学、歴史教育、文化財行政で日本を代表する研究者。文学作品や絵画、考古資料などを素材に日本の歴史を学際的に捉えて精力的に著書を発表している。

 横浜少年少女合唱団 1965年設立で半世紀以上の歴史を持ち、これまでの卒団生は約1500人。氷川丸を練習拠点とし、開港記念式典に40年以上出演するなど横浜の象徴的存在。

 フランソワ・ウビダ 2011年に駐日特命全権大使の着任以来、ブルキナファソと横浜の交流に取り組む。同国大使館は、重要な記念日「ナショナルデー」を毎年市内で祝っている。

 三浦 大輔(みうら・だいすけ)1991年横浜大洋ホエールズ入団以来、横浜ベイスターズ、横浜DeNAベイスターズと横浜一筋で25年間投手として活躍。98年には自己最多の12勝を挙げ優勝に貢献。

 新井 卓(あらい・たかし)写真黎明(れいめい)期の撮影技法を独自に再現する気鋭の若手写真家。横浜に事務所を構え、横浜美術館の若手作家支援プログラムでの滞在制作などにも取り組む。

 阪田 知樹(さかた・ともき)最も注目を集める若手ピアニストの一人。ハンガリー開催の「フランツ・リスト国際ピアノコンクール」でアジア人男性として初の第1位獲得など華々しい成績を残す。

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