「新居の家具・家電」平均72万円

新婚カップルにとって、新居にかかる費用は必要不可欠でしょう。新居のマストアイテムである家具や家電製品などにかかる費用は平均72万円。

新居に必要な家具や家電、いくらかかる?

結婚を考えた時に気になることのひとつが、お金のことではないでしょうか? 中でも結婚式や新婚旅行は1回だけだから……と大きな金額が動くこともあります。

もちろんこれらのお金も大切ですが、忘れてはいけないのが「新生活」にかかるお金。新居や家具、家電製品などのお金です。今回は、家具や家電製品についてどれくらいのお金が必要になるかをご紹介しましょう。

新生活にかかった費用 平均72万3000円

結婚後の新生活準備のためにかかった費用(単位:万円)  *1:各項目の平均金額は、各費用が発生した人ベースの平均金額。各項目の平均金額の合計は、「新生活準備のためにかかった費用総額」とは一致しない(新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)より)

上の表は、新婚カップルの新生活準備のためにかかった費用の平均データです。全国平均の費用総額は72万3000円。インテリア・家具にかかった費用は40万円、家電製品は37万4000円となっています。

この新生活準備のためにかかった費用ですが、金額が減っている傾向にあります。2010年の調査では91万9000円だったのが2011年には80万 8000円となり、2013年には68万6000円まで下がりました。そして、2014年は78万1000円と少し上昇したものの、2016年は72万3000円とまた減っています。

手取り収入がなかなか増えないのと先行きの不安感からか、堅実な新生活準備となっているようです。

首都圏と関西の差は59万円も

地域別の平均もみておきましょう。新生活にかかった費用の総額は、全国平均で72万3000円。首都圏では58万9000円、東海では71万9000円、関西で101万4000円です。首都圏は安く、関西が高くなっており、首都圏と関西では約59万円、1.7倍も差が出ています。

東海は2015年は95万9000円とかなり高い水準でしたが、2016年はぐんと下がりました。

インテリア・家具のマストアイテムはカーテン・カーペット・布団

新生活準備のためのインテリア・家具のアイテム別購入率(単位:%) カーテン、カーペット、自分達の布団と生活に必要なアイテムが上位(新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)より)

新婚カップルが購入したものを上位からみてみましょう。

カーテン類、ラグ・カーペット・じゅうたん、自分達の布団、食器棚、ベッド、ダイニング家具、ソファ、自分達のまくらと続いています。

カーテンやカーペット類は住まいによって必要になるものですから、新居には新規に購入する必要がでてきますね。また、1人暮らしからの転居組は食器棚やダイニング家具をそろえる必要もでてきるでしょう。布団やまくらももちろん必要です。

結婚といえば「和だんす」や「婚礼たんす」などと思う親も多いかもしれませんが、ベスト14には入っておらず、購入率は和ダンス1.5%、婚礼たんすセットは0.5%です。それに対して、整理だんす(チェスト)は 30.8%が購入。結婚をしたからといって大きなたんすを購入するのではなく、整理だんすなどを購入しています。また、ドレッサーも減っており、2015年は10.4%だったのが、2016年は6.7%となっています。

インテリア・家具の費用、最多層は20万円未満

新生活準備のためのインテリア・家具購入にかかった費用の購入者割合(単位:%)(新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)より)

新婚カップルのインテリア・家具に使った平均額は、40万円でした。しかし、利用金額層でみてみると、20万円未満の層が一番多く、34.6%と なっています。続いて、20万~40万円未満も30.6%と65%が40万円未満になっています。ただ驚くことに、1.3%の人は200万円以上かけています。これらの高額購入者が平均値を押し上げているようです。

結婚したからと必要のないものまで買い揃えるのではなく、じっくりと本当に使うものを揃えていけばいいですね。

家電製品のマストアイテムは冷蔵庫・照明器具・洗濯機

新生活準備のための家電製品のアイテム別購入率(単位:%) 冷蔵庫・照明器具・洗濯機が上位(新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)より)

新婚カップルが購入する家電製品をみてみましょう。購入率が一番高いのが冷蔵庫。続いて、照明器具、洗濯機、掃除機、電子レンジ、炊飯器と続きます。いずれも調理や掃除などに必要な、いわば生活必需品。また、照明器具はカーテンと同様、新居にあわせて買わないといけないものですね。

ここで注目したいのがテレビです。2011年の調査ではテレビは3番目に多く、65.8%の人が購入していたのに、2016年調査では31.2%と激減しています。結婚したからといってテレビを新たに買うことなく、独身時代のものをそのまま使うという倹約カップルが増えたのでしょう。また、最近のテレビ離れから、テレビそのものが生活必需品ではなくなってきたのかもしれません。

続いて、ブルーレイDVDレコーダー、カラープリンタ、パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのデジタル製品が続いています。これらは生活必需品とはいえませんが、生活を便利にするには欠かせないアイテムですね。ただし、これらは独身時代から持っているものも多いはず。これらを新たに買うかどうかは、お財布と相談してからにしましょう。

家電製品の費用、平均37万円

新生活準備のための家電製品購入にかかった費用の購入者割合(単位:%)(新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)より)

最後に、家電製品にかかった費用の購入者割合をみておきましょう。10万円未満が9.5%、100万円以上も7.3%と、どの層にもまんべんなく散らばっているのがわかります。とはいえ、30万~40万円未満が19.8%、10万~20万円未満が16.8%と低価格帯が多くなっています。

平均は37万4000円。必要なものを必要な分だけ購入する姿勢がみえます。

買い替えの時期も視野にいれて時間差購入も

家電製品については、10年前後で買い替えの時期がやってきます。これらが一時に集中すると家計を圧迫しかねません。これらを見越して、家電製品の購入時期をずらして購入するのも効果的です。

例えば、1人暮らしで使っていた小さな冷蔵庫や洗濯機、掃除機などがあれば、しばらくはこれらを使うというのもいいですね。時期を見計らって、少しずつ買い直していけばいいのです。

1人暮らしの人でも、結婚後も使える製品を購入しておくと、いざ結婚する時に資金計画が楽になるかもしれません。少し後のことまで考えて、身の回りのものをそろえるといいですね。

(文:福一 由紀)

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