運も実力のうち!? NPB通算メモリアル弾達成者10人で本塁打王は1人だけ

到達まで秒読み段階となっていたNPB通算10万本塁打は、9月29日のロッテVSオリックス戦で6回にマレーロから飛び出した。節目の一発を打ったマレーロは、賞金100万円をゲットした。

オリックス・マレーロ【写真提供:オリックス・バファローズ】

本塁打タイトルは8万号のペタジーニだけ

 到達まで秒読み段階となっていたNPB通算10万本塁打は、9月29日のロッテVSオリックス戦で6回にマレーロから飛び出した。節目の一発を打ったマレーロは、賞金100万円をゲットした。

 何千本目、何万本目というメモリアル本塁打は「運」の産物だ。何百本も本塁打を打っている打者が記念の一打を打つとは限らない。節目の本塁打を打った選手の通算本塁打数を見ていこう。

1号  1936年5月4日 藤井勇(大阪)通算146本塁打
1万号 1957年7月19日 渡辺清(阪急)通算19本塁打 
2万号 1966年7月6日 井石礼司(東京)通算27本塁打
3万号 1973年5月20日 基満男(太平洋)通算189本塁打
4万号 1979年6月28日 ウイリアムス(阪急)通算96本塁打
5万号 1985年4月23日 仲根政裕(近鉄)通算36本塁打
6万号 1990年9月26日 広永益隆(ダイエー)通算34本塁打
7万号 1997年9月9日 駒田徳広(横浜)通算195本塁打
8万号 2003年9月14日 ペタジーニ(巨人)通算233本塁打
9万号 2010年4月4日 ブラウン(西武)通算21本塁打
10万号 2017年9月29日 マレーロ(オリックス)19本塁打

 メモリアル弾を打った選手で、本塁打王のタイトルを取ったのは8万号のペタジーニだけだ。なお、藤井弘の1号本塁打はランニングホームランだった。

 29日はマレーロの後に3本塁打が出たので、現時点でのNPB通算本塁打は10万3本となる。

球団別では巨人が1位、2位には創設が14年遅い西武

 球団別の本塁打数を見てみよう。球団ごとにHR/G(1試合当たりの本塁打数)と、球団最多本塁打も併記した。

10002本 巨人(10326試合0.969HR/G) 王貞治868本
8785本 西武(9153試合0.960HR/G) 中村剛也356本
8573本 中日(10335試合0.830HR/G) 宇野勝334本
8431本 ソフトバンク(10179試合0.828HR/G) 野村克也645本
8241本 オリックス(10341試合0.797HR/G) 長池徳二338本
8103本 広島(9105試合0.890HR/G) 山本浩二536本
7845本 阪神(10351試合0.758HR/G) 掛布雅之349本
7823本 日本ハム(9616試合0.834HR/G) 張本勲414本
7679本 ヤクルト(9104試合0.843HR/G) 池山隆寛304本
7572本 ロッテ(9139試合0.829HR/G) 有藤通世348本
7506本 DeNA(9104試合0.824HR/G) 松原誠330本
6540本 近鉄(7252試合0.902HR/G) 中村紀洋307本
1162本 楽天(1843試合0.630HR/G) 山崎武司191本
(注)大映、松竹など現存しないチームから1741本が生まれている。

 通算本塁打1位は、9月26日に通算1万本を記録した巨人。NPBの総本塁打数のちょうど1割を打っている。HR/Gも1位。チームの本塁打数1位の王貞治は、NPB全本塁打数の0.87%を1人で打っている。

 2位は西武。1950年に球団創設と、1位の巨人より14年も後発だが、本塁打数は2位、HR/Gも2位だ。西武の最多本塁打は、長年329本塁打の清原和博だったが、昨年終盤に中村剛也が抜いた。

 NPBの年間本塁打数は1500本前後で推移している。このペースで行けば2024年ころに11万本に達する予想される。

 果たして誰が11万本目のテープを切るだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)

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