三井物産から日鉄住金物産への事業譲渡、売上げ規模3700億円、年400万トン 新日鉄住金・日新製鋼材が対象

 三井物産と日鉄住金物産は、三井物産が鉄鋼事業の一部について来年4月をめどに日鉄住金物産に譲渡する検討を進めていたが、移管内容などについて合意して契約締結したと29日公表した。併せて行う三井物産による日鉄住金物産の株式の追加取得については、第三者割当増資による方法および日鉄住金物産の既存株主からの取得としている。第三者割当増資による三井物産への割当株数は135万株、約80億円となり、2018年4月2日に実行される予定だ。三井物産の日鉄住金物産への出資比率(議決権所有割合)は現在11・01%だが、これを20・04%に拡大し、三井の連結対象会社(持ち分法適用会社)とする。

対価600億円で

 三井から譲渡する対象事業は国内・輸出合わせて売上高3700億円程度。譲渡する資産・負債の規模はそれぞれ1千億円、400億円程度となり、日鉄住金物産が三井物産に対して600億円程度を対価として支払う。

 日鉄住金物産への譲渡は三井物産スチール(MBS)からとなり、年400万トン。MBSの年間取扱数量は800万トン程度となっており、約半分を移管することになる。事業移管に伴い、三井から日鉄住金物産へ人員の移籍(異動)も進めるとみられる。移管対象は幅広い事業領域における国内・海外向けの取引。新日鉄住金材と日新製鋼材が対象となる。自動車事業関連やエネルギー分野、遠隔地向け輸出などを中心にその他国内事業・取引など今回の移管対象となっていない商売もある。

 今後両社は取引先に対して移管を説明し、理解を得ていく手続きに入る。国内外の競争当局による承認や必要な手続きも経た上で、来年4月1日に事業譲渡を実行する予定。

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