田澤純一の「最もユニークな快挙」 マーリンズでも「ハイチュウ」が大人気!?

マーリンズの田澤純一投手がMLBで森永製菓の「ハイチュウ」を広めたことは、よく知られている。日本生まれの「チューイングソフトキャンディ」の人気は絶大で、メジャーリーガーには熱烈なファンも多い。田澤は昨季限りで8年間在籍したレッドソックスからFAとなり、今季からマーリンズに所属しているが、“伝道師”のおかげで「ハイチュウ」は新天地でも大人気だと、地元紙「サン・センチネル」が特集した。

マーリンズ・田澤純一【写真:Getty Images】

初めて持ち込んだのはRソックス時代の2012年「ブルペン、クラブハウスが虜になった」

 マーリンズの田澤純一投手がMLBで森永製菓の「ハイチュウ」を広めたことは、よく知られている。日本生まれの「チューイングソフトキャンディ」の人気は絶大で、メジャーリーガーには熱烈なファンも多い。田澤は昨季限りで8年間在籍したレッドソックスからFAとなり、今季からマーリンズに所属しているが、“伝道師”のおかげで「ハイチュウ」は新天地でも大人気だと、地元紙「サン・センチネル」が特集した。

 田澤はこれまでメジャー通算357試合に登板し、20勝25敗4セーブ88
ホールド、防御率3.90という成績をマーク。記事では、そんな右腕が「Hi-CHEW(ハイチュウ)」をメジャーに広め、森永アメリカフーズを人気にしたことは「最もユニークな快挙」だとしている。

 田澤が子供の頃から慣れ親しんでいた「ハイチュウ」をメジャーに持ち込んだのは2012年、トミー・ジョン手術から復帰して初のフルシーズンを過ごした時だったという。

 メジャーリーグでは、ベンチやブルペンで待機する選手がガムやひまわりの種などを食べる姿が日常的に広がっている。救援投手のためにブルペンにガムなどを持ち込むのは、若手投手の役割だ。クラブハウスにいれば、ブルペンまで運ぶために、リュックなどに丁寧にお菓子を詰める選手を見ることができる。2012年、田澤はまさにその役割を担っていた。

 記事では「タザワがハイチュウをブルペンに持っていくと、瞬く間に大人気となり、ブルペン、クラブハウスが虜になった」と紹介。その美味しさ、そして外国人選手が初めて体験する食感から、まさにあっという間に定着した。

ハイチュウとの“再会”を喜ぶ選手も「20個くらい食べちゃうんだ」

 その人気は凄まじく、田澤が日系スーパーなどで買うだけでは追いつかなかったため、森永アメリカに“まとめ買い”を頼んだところ、無料で提供を受けることになったと、特集では回顧。「ハイチュウ」は瞬く間に他チームにも広がり、「レッドソックスやツインズ、カブスとスポンサー契約を結び、松坂大輔がメッツに、エイドリアン・ゴンザレスがドジャースに広めていった」という。当時、黒田博樹らが所属するヤンキースでも、クラブハウスには「ハイチュウ」が置かれており、選手の“大争奪戦”が繰り広げられていた。「ハイチュウ」の年間売上は飛躍的にアップしたため、現在ではアメリカの大手スーパーでも買えるようになったというのだ。

 当然、田澤はマーリンズにも「ハイチュウ」を持ち込んだ。2012年にレッドソックスでもチームメートだったマイク・アビーレスは記事の中で「タザワは大きな箱を持ってくる時はみんなに配るんだ。『ほしい? ほしい?』って。みんな隠してあるのを持ってるから、みんなでシェアする分には手を出さないんだ」と、ハイチュウとの“再会”について嬉しそうに話している。さらに「大きな砂糖の塊を味わってるって感じじゃないんだ。そうかもしれないけどね。キャンディーみたいなんだけど、甘すぎないから、”マズっ”ってなって1個しか食べられないなんてことはない。20個くらい食べちゃうんだ」とも明かしており、まさに虜の様子だ。

 田澤自身が「アメリカの人がハイチュウを気に入ってくれてうれしいです。でもお金が入るわけではないし、ビジネスというわけではないんです」と通訳を介してコメントしている通り、誰かに頼まれたわけでもない。選手が気に入ってくれるから、持ち込んでいるだけ。ただ、ハイチュウを広めた“伝道師”として、メジャー史に名前が残るなんてことも、あるかもしれない。(Full-Count編集部)

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