現時点で5人が戦力外&引退、来季38歳「松坂世代」で生き残りかける選手たち

毎年、この時期には多くの選手がチームを離れることになる。今年37歳になる「松坂世代」では、10月6日時点で5人が引退、戦力外となった。 

ソフトバンク・松坂大輔【写真:荒川祐史】

西武では「松坂世代」3選手に戦力外通告 

 NPBでは、10月1日からレギュラーシーズンの終了日の翌日までを「第1次戦力外通告期間」と定めている。毎年、この時期には多くの選手がチームを離れることになる。今年37歳になる「松坂世代」では、10月6日時点で5人が引退、戦力外となった。 

木村昇吾(西)内野手、1980年4月16日生まれ 
久保康友(De)投手、1980年8月6日生まれ 
江草仁貴(広)投手、1980年9月3日生まれ 
渡辺直人(西)内野手、1980年10月15日生まれ 
上本達之(西)捕手、1980年11月8生まれ 

 木村は横浜、広島を経て2015年オフに入団テストを受けて西武に入団。ユーテリティとして活躍したが、2016年右膝前十字靱帯断裂の大けがをして、治療のため育成選手になっていた。今年6月8日に支配下選手に復帰したが活躍できなかった。久保はロッテ、阪神を経てDeNAに。所属した3チームすべてで2桁勝利を挙げるなど、安定感のある先発投手だったが、若手の台頭とともに登板機会が減っていた。 

 江草は阪神ではセットアッパーとして「勝利の方程式」の一翼を担った。西武を経て広島で投げたが、今季は1軍出場がなかった。渡辺は楽天、横浜、西武で内野手として活躍。内野の要、遊撃手としてオールスター戦にも出場している。上本は西武生え抜きの捕手。細川亨、炭谷銀仁朗と毎年正捕手争いをした。打撃を活かすために一塁を守ったこともある。 

 それぞれ各チームで重要な役割を担ったが、若手の台頭もあって戦力外となった。5人の中には現役続行を希望する選手もいる。 

梵英心は広島を自由契約に 

 5人が戦力外となり、松坂世代の現役選手は14人になった。 

久保裕也(楽)投手、1980年5月23日生まれ 
G.後藤武敏(De)内野手、1980年6月5日生まれ 
藤川球児(神)投手、1980年7月21日生まれ 
松坂大輔(ソ)投手、1980年9月13日生まれ 
矢野謙次(日)外野手、1980年9月21日生まれ 
小谷野栄一(オ)内野手、1980年10月10日生まれ 
梵英心(広)内野手、1980年10月11日生まれ 
杉内俊哉(巨)投手、1980年10月30日生まれ 
永川勝浩(広)投手、1980年12月14日生まれ 
村田修一(巨)内野手、1980年12月28日生まれ 
實松一成(巨)捕手、1981年1月18日生まれ 
和田毅(ソ)投手、1981年2月21日生まれ 
館山昌平(ヤ)投手、1981年3月17日生まれ 
工藤隆人(中)外野手、1981年3月30日生まれ 

 このうち、広島の梵英心は自由契約となり、他チームに活躍の場を求めている。 
このほか、広島のエルドレッド(内野手、1980年7月12日)、西武のウルフ(投手、1980年11月29日)の2外国人も同年代だ。「松坂世代」のフラッグシップである松坂大輔は今季1軍登板がないまま3年契約の満了を迎える。本人は現役続行の意向のようだが、どうなるだろうか。 

 今後、この中からさらに戦力外通告を受ける選手も出てくるかもしれない。逆に新天地で契約をつかむ選手が出てくる可能性もあるが、1軍出場がない選手も含め、94人がプロに身を投じた「松坂世代」のうち、その大半がNPBでのプレーを終えている。 

「松坂世代」は来年は38歳になる。今年の「松坂世代」で規定投球回数に達した投手はいない。規定打席をクリアしたのもオリックスの小谷野栄一だけ。しかし、過去には40歳で打撃2冠王に輝いた門田博光や、41歳で迎えたシーズンで最優秀防御率のタイトルを取った大野豊など、この年代からさらに活躍した選手もいる。「松坂世代」にももうひと踏ん張りを期待したいものだ。 (広尾晃 / Koh Hiroo)

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