F1日本GP決勝:ハミルトンが優勝、ベッテルは無念のリタイア。マクラーレン・ホンダはあと一歩届かず

 10月8日午後2時、日本GP決勝が行なわれた。朝から快晴の好天に恵まれ、気温25度、路面温度は42度と、この時期の日本GPにしては暑いコンディションになった。

 パワーユニットやギヤボックスの交換でバルテリ・ボッタス、キミ・ライコネン、ジョリオン・パーマー、カルロス・サインツJr.、フェルナンド・アロンソがグリッド降格ペナルティを科され、エステバン・オコンが5番グリッド、ストフェル・バンドーンは9番グリッドなどに繰り上がり、サインツとアロンソは最後列からのスタートとなっている。

 Q2でソフトタイヤを履いてタイムを記録したボッタスとライコネンに加え、ニコ・ヒュルケンベルグ、そして後方グリッドのザウバー勢、パーマー、サインツがソフトタイヤでスタートする。

 スタートでポールのルイス・ハミルトンは首位を守り、セバスチャン・ベッテルも2番手をキープ。後方ではマックス・フェルスタッペンが1コーナーでダニエル・リカルドを抜いて前に出る。フェルスタッペンはさらにヘアピンでベッテルのインを突いて2番手に浮上。ライコネンはヒュルケンベルグにスプーンでインを突かれてコースオフし大きくポジションを落とす。

 グリッド上でカウルを開けて作業をするなどトラブルを抱えているベッテルは、フォーメーションラップでもステアリングボタン操作で復旧をトライするが治らず、メインストレートに戻って来たところでボッタスにまで抜かれるなどポジションを落としていく。

 サインツが1周目の逆バンクでオフラインにはみ出しでスピンオフしており、ここでセーフティカーが導入される。4周目にレースが再開されるがベッテルはさらに抜かれていき、そのままピットに戻ってリタイア。

 順位はトップにハミルトン、2番手フェルスタッペン、3番手オコン、4番手リカルド、5番手ボッタス、6番手セルジオ・ペレスの順で、1周目のターン2で行き場を失いアウト側に押し出されたバンドーンは大きく後退し、ピットインしたランス・ストロールとパスカル・ウェーレインの前15番手、アロンソは14番手と後方に沈んでしまった。

 8周目にマーカス・エリクソンがデグナー1つめの出口で縁石に乗り、そのまま2つめでコースオフしてクラッシュしてしまう。これでバーチャルセーフティカー(VSC)導入となり、この間にバンドーンはピットインしてソフトタイヤに交換する。しかしストロールの後方に下がり押さえ込まれてしまう。

 10周目のセクター3でVSC解除となり、リカルドはメインストレートでオコンをパスして3番手へ。フォース・インディアは無理に上位勢と戦うつもりはなく、翌周にはボッタスもオコンを1コーナーでパスし、フォース・インディア勢は5番手オコン、6番手ペレスというポジションになり、14周目のメインストレートでライコネンがフェリペ・マッサを抜いて7番手に上がってくる。

 追い抜きと前走車のフォローが難しい鈴鹿だけに、ここからは動きの少ないレース展開となる。

 17周目にマッサがピットインしソフトタイヤに交換。19周目にはその後方を走っていたケビン・マグヌッセンもピットに飛び込むが位置関係は変わらなかった。20周目にはオコン、翌周にはペレスもピットインして順位を確定させる。

 21周目に2番手フェルスタッペンがピットインすると、5秒差を持っていた首位ハミルトンもピットインしてフェルスタッペンの前でコースに戻る。

 一旦首位に浮上したリカルドも25周目にピットインしてタイヤ交換を済ませ、今度はボッタスが暫定首位に。実質首位のハミルトンと実質2番手のフェルスタッペンは1.5秒差でその後方に迫り、ボッタスは本来のペースで走れないと不満を訴えるハミルトンを28周目に前に行かせ、30周目までステイアウトしてフェルスタッペンを押さえ込む役割に回る。28周目にピットインしたライコネンはギリギリでフォース・インディア勢の前に留まった。

 ソフトタイヤスタートのルノー勢だけが第1スティントを引っ張っていたが、38周目についにヒュルケンベルがピットインし、マッサを先頭とする8番手争いのトレインの後方でコースに復帰する。

 ピエール・ガスリーがヘアピンでタイヤをロックさせたためひとつ順位を上げ、勢いのあるスーパーソフトで前を追うがリヤのフラップが壊れてDRSが閉じなくなりピットインしてリタイアを強いられた。

 42周目にはマッサがターン1でアウトに膨らみ、マグヌッセンがターン2のインを突いて軽く接触しながら前へ。後ろのグロージャンも続いてマッサをパスする。6番手・7番手のフォース・インディア勢は1秒以内の差で走行し、ペレスはオコンへのアタックを願い出るがチームはポジションキープを指示する。

 2番手フェルスタッペンは首位ハミルトンよりも僅かに速いペースでじわじわと差を縮めていく。46周目のターン3でストロールの右フロントホイールが壊れコースオフしてストップ。これでVSC導入となるが、レースの大勢に影響はなく50周目に残り4周でVSC解除となった。

 ここからフェルスタッペンはさらにハミルトンに迫りついに1秒差を切りDRSを使えるところまで肉薄する。しかし最終ラップのセクター1で間に周回遅れのマッサが挟まり、差が開いてしまう。

 結局ハミルトンが逃げ切ってトップでチェッカードフラッグを受け通算61勝目を挙げた。2位フェルスタッペンの後方に変動はなく、3位リカルド、4位ボッタス、5位ライコネン。その後ろのフォース・インディア勢も6位オコン、7位ペレスのままでフィニッシュし、8位・9位にハース勢がダブル入賞。

 マッサがアロンソを抑え切って10位でフィニッシュし、アロンソは11位、バンドーンは14位でマクラーレン・ホンダは無得点でレースを終えた。

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