広報誌でも2市に温度差 小田原と南足柄の合併

 小田原、南足柄両市は10月の広報誌を発行した。2市とも任意協議会で議論してきた合併を取り上げたが、南足柄市は任意協での協議結果のみを掲載する一方、小田原市は南足柄市の魅力も紹介するなど一歩踏み込んでおり、広報誌でも温度差を感じさせる内容となった。

 小田原市は年1回発行する特集号のテーマに、合併を選んだ。周辺の町村と合併を繰り返してきた市の歴史を振り返り、協議結果を報告。「南足柄市ナンバー1巡り」と題し、職員が金時山のハイキングコースに挑戦する様子などを写真入りで紹介し、市の鳥コアジサシの新キャラクターも登場させた。

 市広報広聴課は「『難しい』と敬遠されがちな政策広報を分かりやすく伝え、市民に自分のこととして考えてもらいたい」と狙いを説明した。

 一方、南足柄市は全16ページのうち、2ページ目以降、計4ページを使って協議結果を報告。「合併するって聞いたけどホント?」との質問と「合併を目的に協議した訳ではありません」との回答を、文字の大きさも変えて目立つ位置に置き、合併を想定した場合のデメリットや課題、低下する行政サービスの例も掲載。昨夏のアンケート調査で寄せられた不安の声に1ページを割いた。

 市秘書広報課は「協議結果を市民に正確に知らしめるためで、市民の誤解を招かないよう丁寧な説明を心掛けた」としている。

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