パ・リーグ今季新人王の行方は…投打に逸材揃うも大本命の西武源田が圧倒

日本プロ野球の新人王資格は、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍打席数が60打席以内の選手が対象となる。

日本ハム石井、横尾が奮闘も、源田には及ばずか

 日本プロ野球の新人王資格は、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍打席数が60打席以内の選手が対象となる。

 パ・リーグの今季の新人王有資格者の成績を見ていこう。

○打者(今季5安打以上)

源田壮亮(西)143試575打数155安打3本57点37盗 打率.270
石井一成(日)114試317打数65安打3本24点3盗 打率.205
武田健吾(オ)97試207打数61安打2本14点0盗 打率.295
横尾俊建(日)50試134打数32安打7本20点0盗 打率.239
清水優心(日)61試111打数22安打1本10点0盗 打率.198
平沢大河(ロ)50試119打数21安打1本3点1盗 打率.176
水口大地(西)56試50打数14安打0本4点5盗 打率.280
太田賢吾(日)40試82打数14安打1本6点0盗 打率.171
香月一也(ロ)19試41打数8安打0本2点0盗 打率.195
田中和基(楽)51試54打数6安打1本2点7盗 打率.111
肘井竜蔵(ロ)16試21打数5安打0本0点0盗 打率.238

 西武の源田は全試合出場を果たし、1958年の長嶋茂雄を抜くNPB史上2位の155安打を記録した。盗塁は日本ハムの西川に次ぐリーグ2位だった。遊撃手としてもフル出場したのは源田だけ。最多の21失策をしているが、1年目から文句のつけようがない成績だ。

 日本ハムの石井も遊撃手として59試合に出場しているが、源田との差は歴然としている。

 本塁打数では、シーズン後半から売り出した日本ハム横尾が7本で最多だが、1年を通じての活躍という点では源田には及ばない。

 源田は断トツの実績と言ってよいだろう。

投手は先発の山岡、石川、救援は近藤、黒木らが奮闘

○投手(今季20イニング以上)

山岡泰輔(オ)24試8勝11敗0S0H149.1回 133K 率3.74
石川柊太(ソ)34試8勝3敗0S1H 98.1回 99K 率3.29
佐々木千隼(日)15試4勝7敗0S0H 85.1回 59K 率4.22
酒居知史(日)19試5勝1敗0S1H 74.2回 48K 率3.13
松本裕樹(ソ)15試2勝4敗0S0H 58.1回 43K 率4.78
近藤大亮(オ)55試1勝1敗1S25H 55.2回 71K 率3.07
黒木優太(オ)55試6勝3敗2S25H 53.1回 62K 率4.22
有吉優樹(日)53試2勝5敗1S16H 53.1回 27K 率2.87
石川直也(日)37試0勝1敗0S7H 49.2回 51K 率4.35
平井克典(西)42試2勝0敗0S4H 45回 42K 率2.4
高梨雄平(楽)46試1勝0敗0S14H 43.2回 48K 率1.03
藤平尚真(楽)8試3勝4敗0S0H 43.1回 44K 率2.28
小林慶祐(オ)35試2勝1敗0S1H 40.2回 46K 率3.98
森原康平(楽)42試2勝4敗0S13H 39.1回 21K 率4.81
公文克彦(日)41試3勝0敗0S3H 36.2回 33K 率2.7
野田昇吾(西)38試1勝0敗0S1H 36.1回 26K 率1.98
上原健太(日)9試1勝5敗0S0H 34.2回 29K 率6.23
菅原秀(楽)29試1勝0敗0S1H 28.2回 26K 率5.02
大山暁史(オ)32試1勝0敗0S 6H 26回 30K 率3.46
古川侑利(楽)5試0勝2敗0S0H 26回 15K 率4.15
玉井大翔(日)24試1勝2敗0S1H 24.1回 12K 率2.59
山本由伸(オ)5試1勝1敗0S0H 23.2回 20K 率5.32
吉田侑樹(日)5試2勝2敗0S0H 23.2回 9K 率5.32

 オリックスの山岡は規定投球回数に達して8勝11敗。4月13日に初登板、初勝利は7試合目と遅かったが、シーズンを通してほぼローテを維持した。

 ソフトバンクの石川は、当初は救援だったが5月31日に初先発。8月に再び救援に戻ったが、再び先発に復帰。彼もシーズンを通して働いた。

 ロッテの佐々木は外れ1位ながら5球団から指名を受けた有望選手だった。4月6日に初登板初勝利を飾ったが、以後なかなか勝ち星が上がらず。しかし、9月に2勝を挙げ、来季に希望をつないだ。

 救援投手では、オリックスの近藤が55試合に登板して25ホールド、後半はセットアッパーとして活躍した。チームメイトの黒木も25ホールドだが、こちらは前半戦の活躍が目立った。

 こうしてみると、投手陣も決して不作ではなかったが、総合的には全試合出場した西武の源田壮亮に肩を並べる選手はいなそうだ。

 パ・リーグの新人王は、限りなく“源田で決まり”と言っても良さそうだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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