セ・リーグ今季新人王の行方は…149安打の中日京田か、2桁勝利DeNA濱口か

今季のセ・リーグでは数多くの若手が躍進した。その中で新人王のタイトルを獲得するのは誰なのか。

中日・京田陽太【写真:荒川祐史】

中日の京田は141試合に出場し、リーグ最多8三塁打、リーグ3位23盗塁

 今季のセ・リーグでは数多くの若手が躍進した。その中で新人王のタイトルを獲得するのは誰なのか。

 日本プロ野球の新人王資格は、支配下選手に初めて登録されてから5年以内で、投手は前年までの1軍登板イニング数が30イニング以内、打者は前年までの1軍打席数が60打席以内の選手が対象となる。

 セ・リーグの新人王候補の成績を見ていこう。

○打者(今季5安打以上)

京田陽太(中)141試564打数149安打4本36点23盗 打率.264
西川龍馬(広)95試204打数56安打5本27点4盗 打率.275
山崎晃大朗(ヤ)59試219打数53安打1本13点6盗 打率.242
柴田竜拓(De)88試215打数50安打1本11点1盗 打率.233
大山悠輔(神)75試198打数47安打7本38点2盗 打率.237
糸原健斗(神)66試162打数42安打1本24点1盗 打率.259
坂本誠志郎(神)42試113打数28安打2本17点0盗 打率.248
奥村展征(ヤ)44試113打数27安打0本5点1盗 打率.239
木下拓哉(中)51試78打数15安打0本4点0盗 打率.192
宇佐見真吾(巨)21試40打数14安打4本8点0盗 打率.350
阿部寿樹(中)21試41打数11安打0本2点1盗 打率.268
辻東倫(巨)18試32打数8安打0本1点1盗 打率.250
廣岡大志(ヤ)11試28打数7安打0本1点0盗 打率.250
井領雅貴(中)22試32打数7安打0本3点0盗 打率.219
岡本和真(巨)15試31打数6安打0本2点0盗 打率.194
近藤弘基(中)14試29打数6安打1本1点0盗 打率.207
石川駿(中)9試17打数6安打1本1点0盗 打率.353
植田海(神)13試18打数5安打0本0点1盗 打率.278

 中日の京田陽太が、遊撃手としては巨人の坂本勇人に次ぐリーグ2位の140試合に出場(1試合は代打)。リーグ最多の8三塁打、リーグ3位の23盗塁とシーズンを通じて活躍した。西武の源田が記録した155安打には及ばなかったが、新人打者では断トツの149安打もマークした。

 広島の西川龍馬は、代打、6番、7番打者として95試合に出場。層が厚い広島野手陣で、打撃の良さをアピールした。

 阪神のドラ1大山は、後半戦に1軍に定着。4番を任されるなど、新人最多の7本塁打を記録した。

投手はDeNA濱口が規定投球回数に未達ながら2桁勝利をマーク

○投手(今季20イニング以上)

濱口遥大(De)22試10勝6敗0S0H 123.2回 136K 率3.57
星知弥(ヤ)24試4勝7敗0S2H 110.1回 71K 率4.73
小野泰己(神)15試2勝7敗0S0H 78.2回 63K 率4.35
中村祐太(広)15試5勝4敗0S0H 74.2回 54K 率3.74
畠世周(巨)13試6勝4敗0S0H 72.1回 72K 率2.99
鈴木翔太(中)15試5勝5敗0S0H 69回 51K 率4.17
柳裕也(中)11試1勝4敗0S0H 50.1回 45K 率4.47
笠原祥太郎(中)18試1勝3敗0S0H 48.2回 43K 率3.14
飯塚悟史(De)9試1勝3敗0S1H 42回 27K 率4.29
池田駿(巨)33試0勝2敗0S4H 37.2回 33K 率3.35
三ツ間卓也(中)35試2勝1敗0S11H 37.2回 29K 率4.06
石崎剛(神)26試1勝1敗0S4H 30.2回 32K 率1.17
加藤拓也(広)7試1勝3敗0S0H 29.1回 28K 率4.30
篠原慎平(巨)23試1勝1敗0S0H 27.1回 19K 率3.62
桜井俊貴(巨)19試0勝1敗0S0H 27回 16K 率5.67
中川皓太(巨)18試0勝0敗0S0H 25回 19K 率4.32
熊原健人(De)4試3勝1敗0S0H 20回 17K 率5.40

 DeNAの濱口は、4月から先発ローテの一角として活躍。7月13日に登録抹消されたが8月に復帰し、規定投球回数未達ながら10勝を挙げた。

 ヤクルトの星は開幕1軍、当初は救援だったが4月30日の登板から先発に回る。投手陣崩壊状態のヤクルトでローテを維持していたが、7月以降打ち込まれる試合が多くなった。

 巨人の畠は7月に1軍昇格と出遅れたが、同19日に初勝利を挙げると、菅野、マイコラス、田口に次ぐ先発4番手として好投し、6勝を挙げた。

 例年であれば、2桁勝利のDeNA濱口が新人王として有力視されるだろうが、遊撃手としてほぼフル出場した中日の京田の評価が、それを上回るだろう。

 セ・リーグは中日の遊撃手、京田で当確と言えそうだ。京田が選ばれれば、遊撃手がセ・リーグ新人王となるのは、2006年広島の梵英心以来となる。

 パ・リーグは西武の遊撃手、源田壮亮の受賞が確実視されるが、両リーグともに野手が新人王を受賞すれば、1996年に巨人の仁志敏久と日本ハムの金子誠がW受賞して以来21年ぶりの出来事となる。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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