前田健太の救援起用は「降格」ではなく「お告げ」 ド軍GM「リアル・ウェポン」

ポストシーズン(PS)で好救援を続けているドジャースの前田健太投手について地元メディアが特集を組み、その投球を称賛している。

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

マエケンは「長期的には先発投手」も…好救援をド軍GM絶賛「期待大きく超えた」

 ポストシーズン(PS)で好救援を続けているドジャースの前田健太投手について地元メディアが特集を組み、その投球を称賛している。地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」電子版が「ケンタ・マエダはドジャースのリリーフでリアル・ウェポンとなった」と伝えている。

 今季終盤に失速したものの両リーグトップの104勝を挙げたドジャース。迎えたナ・リーグ地区シリーズでもダイヤモンドバックスを3連勝で下してリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。この3試合中2試合に救援登板した前田はいずれも1イニングを無安打無失点2奪三振と好投。最初の登板となった第2戦では勝利投手となり、第3戦は自身キャリア初ホールドを挙げた。その投球は現地でも高い評価を得ていた。

 14日(日本時間15日)からはカブスと激突するドジャース。その大一番を前に地元紙が救援で輝きを放つ前田を特集した。

 今季は13勝6敗で2年連続2桁勝利を挙げたが、開幕から不安定な投球が続いたこともあり、防御率は1年目の3.48から4.22に悪化。4試合で救援を経験し、シーズン終盤にはポストシーズンで救援を任されることが決まっていた。

先発→救援は「降格」ではなく「お告げ」、指揮官も高評価「非常に大きな武器」

 ポストシーズンで本職の先発から外れて救援を任されながらも存在感を放っている日本人右腕について、地元紙は「一般的に、先発からリリーフへの転向は降格である。何らかの形で失態を犯した、当初の役割を十分に果たせなかったということだ」と前置きした上で、「ケンタ・マエダにとってこれは、降格というよりお告げと言えるだろう」と言及。ロバーツ監督は記事の中で「明らかに、右打者を相手に彼を登板させれば、非常にタフな存在となる。効果的に彼を起用することができれば、非常に大きな武器となる」と高評価を下している。

 記事ではポストシーズンで右打者5人、左打者1人と対戦し、右打者の4選手から三振を奪っていることを紹介。これについて「驚くべきことではない。今シーズンのマエダは、右打者が苦手とする右投手の中でも、目立つ存在だ。彼は右打者を打率.214に押さえ込んでおり、3打席に1度は三振を奪っている」とレポート。今季、250打席以上、右打者と対戦した投手の中で、前田の奪三振率を上回るのはシャーザー(ナショナルズ)、セール(レッドソックス)、クルーバー(インディアンス)の3投手しかいないことにも触れている。

 ドジャースのザイディGMは記事の中で「先発投手6人について考えていたのは、6月のことだった。そして、我々は彼を初めてブルペンに入れた」とし、「彼は期待を大きく超えた。そして我々が前進するためのリアル・ウェポンとして自身を確立したのだ」と最大級の賛辞を贈っている。またロバーツ監督が「(ストレートが)90~92(マイル、約145~148キロ)から92~95(マイル、約148~153キロ)まで3マイル(約5キロ)上昇したことになる。彼のスライダーをより強力にするんだ」と語ったことも紹介している。

 ザイディGMは記事の中で「長期的に言うと、我々は彼を先発投手として見ている」とあくまで先発投手として契約したことを強調。それでも1988年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指す戦いの中では救援の柱として大きな期待を寄せている。

 モロー、守護神ジャンセンらとともに「勝利の方程式」と期待する声も上がっている前田。カブスとの決戦でもチームを救う活躍を見せられるか。その投球から目が離せない。(Full-Count編集部)

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