JOGMEC、南アの白金探鉱プロに現地白金大手も参画

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は17日、カナダの探鉱会社プラチナム・グループ・メタルズ(PTM)と南アフリカ・ブッシュフェルド地域で共同実施している白金族金属探鉱プロジェクト「ウォーターバーグ・プロジェクト」に、南アフリカの白金族金属大手インパラ・プラチナムを開発パートナーとして迎え入れることで合意したと発表した。同社の参入完了後は同社がオペレーターとなる。JOGMECの権益(28・35%)は最終的に5%に低下するが、同プロジェクトでインパラが生産する地金全量の購入権を確保できる。

 インパラは、JOGMECとPTMから計15%の権益を3千万ドルで獲得し、最終FS承認後90日以内に追加35・01%を買い増すオプションを獲得。同オプションを行使した場合、同社はJOGMECの権益12・195%を3480万ドルで取得し、さらに合弁会社に1億3千万ドルの単独資金拠出を実行する。これに伴い、JOGMECとPTMの権益希釈で計22・815%を獲得し、以降はオペレーターとなる。

 インパラは、南アの白金族金属生産量が第2位で、同社の参画で同国における鉱山操業の豊富なノウハウと地金の精錬能力が同プロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まる。同プロジェクトは現在、最終FSの確度を向上させるための追加試錐を実施中で、今後は同社との共同検討を踏まえ、採掘法や鉱石処理法、社会環境対策、インフラ施設、経済性などの定量評価を加速させる。

 JOGMECは、11年に同地域で初めて白金族金属鉱床を発見し、その後の探査結果に基づくプレFSで良好な評価を得た。1オンス当たりの生産コストは同地域で現在生産されている白金族鉱山と比較して最も競争力のあるプロジェクトの一つと評価されている。今後は同契約における地位入札を通じて日本企業への権益引継ぎを目指す考え。

© 株式会社鉄鋼新聞社