オールアルミ橋梁の「金慶橋」、17年度の土木遺産に認定

 土木学会はこのほど17年度の推奨土木遺産に、日本初の全溶接アルミ橋梁である「金慶橋」を認定した。土木遺産への推薦者である日本アルミニウム協会は今後、所有者の芦有ドライブウェイ社とともに金慶橋に関する講演会や見学会を開催し、幅広い関係者にアルミ橋梁の特徴などをPRしていく考え。

 金慶橋は1961年に兵庫県芦屋市と有馬温泉を結ぶ「芦屋―有馬間有料道路」の架橋されたアルミ橋梁。道路橋として橋桁部分に鉄鋼以外の金属が使用された我が国唯一の橋梁で、アルミ合金の溶接など当時の最新技術が多用されている。アルミが採用された背景には、有馬地区の地盤が軟弱なため、橋体重量を軽減する必要があったとされている。

 金慶橋は竣工から56年が経過しているものの、橋桁部の改修や補修の必要がなかったほか、冬季に橋面に凍結防止剤が散布されるもののノーメンテナンスで問題なく使用されてきた。またアルミ協会が経年変化の調査を3回(95、07、12年)実施したが、いずれの調査でも主桁、腹板、対斜構の母材部、溶接部、熱影響部、リベット締結部などに微小な点食が発生していたが局部的な著しい腐食割れなどは観察されず、今後も長期間の耐久性が期待できるとしている。

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