フランス女性はナプキン派?それともタンポン派?
生理用品といえば、主にナプキンやタンポンが挙げられますが、日本では衛生上の理由や、タンポン挿入時に違和感があるのが苦手という理由から、ナプキン派が多いと言われています。
一方フランスでは、ナプキン派とタンポン派が半々だとも言われますが、筆者の周りのフランス人にインタビューしてみるとタンポン派が主流です。
フランスには生理用ショーツが存在しない!?
日本では生理中はサニタリーショーツを着用するのが一般的ですが、フランスではサニタリーショーツは存在せず、フランス女性は生理中でも普段と同じショーツを着けています。Tバック、薄地やレースの華奢なデザインのショーツを好むこと、またタンポンのほうが動きやすいこともあり、ナプキンよりタンポンを好む女性が多いようです。
一生に1万2000個ものナプキンやタンポンを捨てている現実
フランスのフルールカップ社の資料によると、一人の女性が一生に費やすナプキン及びタンポンの金額は約2400ユーロ(日本円=約31.5万円 2017年8月時点)、消費個数は約1万2000個。さらに世界全体でみると、女性の捨てる生理用品数はなんと年間450億個を超えています。
それらを地球に還元するのに約500年かかると想定されおり、紙の大量使用によって引き起こされる自然環境破壊の影響が問題になっています。
そこで、ナチュラル志向やエコへの関心が高まるフランスでは、「月経カップ」と呼ばれるナプキンやタンポンに代わる新しい生理用品に支持が高まってきています。
人気上昇中の「月経カップ」って一体何なの?
月経カップとは、医療用シリコンや天然ゴムなどの素材から作られた、鈴のような形をした生理用品のこと。膣の中に入れて装着し、カップの中に経血を集めて、溜まった経血を捨ててカップを水洗いすることで何度でも再装着することができます。膣の大きさや経血の量によりカップの容量が異なるので、自分の体に適したサイズの月経カップを使用します。
月経カップはどこで買えるの?
フランスではオーガニックショップや薬局などで簡単に購入することができる月経カップですが、日本ではあまり店頭販売はされていないようです。2017年8月現在では、インターネットサイトで購入することができます。
月経カップの使い方。どうやって使うの?
1. 手と月経カップをきれいに洗浄する
2. 手で月経カップを小さく折りたたんで膣に挿入する。膣のなかで月経カップが開いて固定される
3. 約12時間ごとに取り出して、月経カップに溜まった経血を捨てて、カップを水洗いする
4. 再度折りたたんで挿入する
5. 生理が終了後は5分間以上煮沸消毒して付属の袋に保管する
月経カップのメリット
1. ナプキンやタンポンより長時間(最長12時間)使用することができて、夜も経血が漏れる心配をしないで眠ることができる
2. 経血が外気に触れずにカップに溜まるので、不快な臭いがほとんどない
3. 紙ナプキンのように、ムレ・かゆみ・かぶれの心配がない
4. 装着感がなく、自由に動いたり激しいスポーツができる
5. お風呂や温泉に安心して入れる
6. 1個あたり2000~5000円とやや高価だが、長期間(約10年)繰り返し使用することができるので、コストパフォーマンスが高く経済的
7. 一生に1~3個の使用で済むため、ゴミが少なく地球環境に優しい
8. カップに溜まった経血を捨てて、水で洗い流すだけなので手間がかからない
9. タンポン使用者に発症する可能性のあるバクテリアによる毒素性ショック症候群(TSS)を引き起こす原因にならない
10. 血液を吸収するのではなく溜めるので、膣内が乾かず、膣の自浄作用を妨げない
11. 生理の日数が短くなったり、生理痛が軽くなったと感じる人もいる
12. 月経カップに溜まった血液やおりものの量を目で確認できるので、健康管理の目安になる
月経カップのデメリット
1. 慣れるまでは、装着や取り出しに手間がかかる
2. 初めて使うときは月経カップがやや硬く、痛みを感じることがある
3. アウトドア環境など、洗浄施設のない外出先では使いにくい
4. 膣に挿入することに抵抗がある人には適さない
生理の憂鬱から解放!新しい生理用品としてオススメ
筆者は1年ほど前にタンポンから月経カップに変えましたが、タンポンのように紐が外に出ていないのでトイレに行くときも気にならず、装着感がないので、とにかく楽です。特に夏場や梅雨の暑くて群れる時期は、デリケートゾーンのムレや臭いが気にならないのでとても快適に過ごせます。
日本ではまだ馴染みが薄い月経カップですが、エコの視点からも前向きに取り入れたい新しい生理用品になっていくと思われます。月経カップに興味があるけれど抵抗のある方は、まずは昼は月経カップ、夜はナプキンというふうに臨機応変に取り入れてみてはいかがでしょうか?