京大野球部OBにとって悲願だった「プロ野球選手の輩出」
ロッテから戦力外通告を受けた田中英祐は、来年創設120周年を迎える京大野球部の期待の星だった。卒業時には京大初のプロ入り選手として「京都大学総長賞」を受賞している。
NPBでは東京大学出身のプロ野球選手は過去に5人いる。
○新治伸治(大洋)
投手 88試合9勝6敗 防御率3.29
○井手竣(中日)
投手 17試合1勝4敗 防御率5.18
外野手 359試合64打数12安打1本2打点 打率.188
○小林至(ロッテ)投手
1軍成績なし
○遠藤良平(日ハム)
投手 1試合0勝0敗 防御率0.00
○松家卓弘(日ハム・中日)投手 14試合0勝1敗 防御率4.01
しかし、東京大学と並ぶ最高学府、京都大学からプロに進んだ選手はいなかった(横浜、DeNAで25試合に登板し0勝0敗、防御率5.35を記録した福田岳洋は高知大学を経て京都大学大学院中退してプロ入りしているが、硬式野球部出身ではない)。京大野球部OBにとって「プロ野球選手の輩出」は悲願だった。
これまで最もプロ野球に近い京大生と言われたのは、2000年秋、関西学生野球連盟で京大生としては史上初めて、投手でベストナインに選ばれた岡村英祐氏。岡村氏は京都大学卒業後、スポーツ選手の権利を擁護する弁護士として活躍しているが、「おなじエイスケでも、僕よりも田中の方が数段上」と太鼓判を押していた。
1軍では通算2試合の登板に終わった田中
田中は2013年秋、2014年秋の2回、関西学生野球連盟で投手のベストナインに選ばれている。京大投手として、史上初めて5大学から勝利を挙げ、65試合で380回1/3を投げ8勝31敗、防御率2.25を記録した。
2014年ドラフトで千葉ロッテから2位指名され入団。1年目のキャンプは2軍でスタートしたが、4月29日の西武戦で1軍デビュー。先発したものの、3回を投げて6被安打、3奪三振、3与四球、自責点5で敗戦投手となった。続いて5月1日の日本ハム戦では、イ・デウンに次ぐ2番手投手として登板するも3回を投げて6被安打、2奪三振、4与四球、自責点4と結果を出せず、2軍落ち。結局、これが田中英祐の1軍での全戦績となった。
【2軍年度別成績】
2015年 9試合2勝3敗 40回 防御率5.43
2016年 1試合0勝0敗 1回 防御率0.00
2017年 3試合1勝0敗 2回1/3 防御率27.00
1軍通算成績 2試合0勝1敗 6回 防御率13.50
2軍通算成績 13試合3勝3敗 43回1/3 防御率6.64
肘の故障もあって、2軍でも登板数は減っていった。実力を十分に発揮したとは言えないだろう。
東大出身のプロ野球選手は、引退後、プロ野球界や各方面で活躍している。
田中英祐も、プロ野球での経験を活かして、新しいステージで活躍するのではないか。今後に期待したい。
(Full-Count編集部)