日立製作所が新サービス、鋼材の生産計画をAIで自動作成 新日鉄住金との技術を応用

 日立製作所は23日、人工知能(AI)で鋼材の最適な生産計画を自動で作成するサービスを始めると発表した。新日鉄住金と共同で進めてきた実証実験の成果を応用。熟練者による生産計画の一部を再現できる。鋼材に限らず、非鉄金属材料などにも応用できる。作業負荷の低減や技能継承に役立つ利点をアピールし、幅広い産業向けで普及を目指す。

 新サービスは24日から提供を始める。日立は、短時間でさまざまな制約条件を満たさなければならない鉄道の運行管理システムなどで実績を持つ。この数理最適化技術とAIを組み合わせ、熟練者による生産計画の再現に成功した。材料に限らず配車計画などにも活用できるという。

 新サービスでは、熟練者の計画パターンを機械学習で抽出し、設備や納期、コストといった制約条件を加味したうえで、製品の最適な生産順序を自動ではじき出す。顧客企業にとっては、計画の立案や見直しにかかる作業負荷を減らせるほか、生産計画に関する熟練の技能を継承することにも生かせる。料金は個別見積もり。

 新日鉄住金との実証実験は2015年4月に開始した。現在も実証実験の段階で、18年2月からより本格的な実証実験に入る見通し。新日鉄住金の製鉄所で実証実験を進めており、これまで熟練者による生産計画の一部を再現できることを確かめたとしている。

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