日本新金属、タングステンのリサイクル技術「レアメタルリサイクル賞」を受賞

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、NEDO事業の「希少金属代替・削減技術実用化開発助成事業」で実施した「タングステン含有スクラップのリサイクル技術開発」(受賞者・日本新金属)の成果が、2017年度資源循環技術・システム表彰(主催・産業環境管理協会)で「レアメタルリサイクル賞」を受賞したと発表した。従来処理できなかった大型のスクラップ塊の処理や油分・水分を含むスラッジなどの酸化焙焼処理を可能とし、タングステン含有スクラップのリサイクル処理量の向上が期待されるとともに、経済的な資源循環システムの実現に寄与する点が評価された。

 日本新金属は、国内唯一のタングステン製錬工程を有し、使用済みの超硬工具などをタングステン原料に再生することで国内での資源循環を進めている。これまで酸化焙焼処理困難なスクラップなどは処理技術を有していなかったためリサイクルできなかったが、「大物固形スクラップの効率的な破砕技術」、「焼き嵌め、ロウ付けスクラップの鉄材との分離技術」、「含水・含油研削スラッジの直接酸化焙焼炉」、「脱バインダーのための塩化鉄処理装置」の4件のリサイクル技術を開発し、タングステン含有スクラップのリサイクル処理能力を50%引き上げた。

 資源循環技術・システム表彰は、廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化に資する優れた事業や取り組みの奨励・普及を目的に設けられた表彰制度。レアメタルリサイクル賞は、リサイクルの早期実現が期待されている鉱種(タングステン、ネオジム、ジスプロシウムなど)に関して経済的な資源循環システムの実現に寄与する優れた取り組みを表彰するもの。

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