ヒューテック・オリジン、鋼板キズ自動検出装置を開発 造船厚板加工などに拡販

 塗油器や画像処理検査装置などを製造・開発するヒューテック・オリジン(本社・高松市)は、鋼板に生じたキズの深さ(0・1ミリ以上)を自動で検出する装置を開発、販売を始めた。同社はこれまでコイルセンター(CC)向けを中心にキズ検査装置を販売していたが、厚板溶断業など造船向け厚板を加工する企業からのニーズに対応するため、キズの深さも検出できるようにした。今回の新製品はCCだけでなく、厚板を扱う加工・流通などにもアプローチしていく。

新装置の社内検証機

 新キズ検出装置は、特殊な格子をつけた照明とカメラを用い、装置の下部を鋼板が通過すると、キズの有無・深さが判断できる。装置は製造ラインに組み込み、等間隔のしま模様を投影できる格子を付けた照明で鋼板に光を当て、カメラで撮影する。

 通常、鋼板の深いキズの有無は作業員が目視で判断するが、緩やかな反りやねじれといった欠陥は見た目では判断しにくいため、検査を通過するケースもあった。新装置を導入すれば、検査を迅速化できるだけでなく、こういったケースも軽減でき、均一な品質検査が実施できるようになる。このほか、人手不足に伴い、工場の現場作業員の確保も難しくなっており、同装置の導入で省力化も見込める。

 同社は販売価格について、1基当たり(400ミリ幅)400万~500万円を想定。まずは年間10基の受注を目指し、PRを進めていく。

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