国交省、神鋼・大安工場に立入検査 MRJ向けアルミ材の安全性調査

 神戸製鋼所の品質データ改ざん問題を受けて国土交通省は23日、大安工場(三重県いなべ市)に立ち入り検査を実施した。三菱航空機の国産ジェット機「MRJ」に採用されているアルミ鋳鍛造品を対象に安全性を調査する。25日までの3日間をめどに、現場で報告内容とデータの確認などを実施する。

 国産ジェット機「MRJ」を開発する三菱航空機は、すでに独自調査で製品の強度や耐久性に問題ないと説明していた。しかし航空機の設計国が全世界に対して安全責任を有するため、量産化が近いMRJの品質に万全を期して立ち入り検査を実施した。検査では製品検査の方法や体制などに問題や漏れがないかなども確認する。

 なお国交省によると「今回の立ち入り検査はMRJに利用されるアルミ製品を対象としており、検査対象は大安工場のみ」とし、他製造所へは現時点では実施しない方針を示している。神鋼は「立ち入り検査には誠意をもって対応していく」としている。

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