NEDOと大阪大学、純銅積層3Dプリンタ開発 高効率・高精度加工可能に

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と大阪大学は24日、純銅を高効率・高精度に積層造形できる3Dプリンタを開発したと発表した。銅の特性に適した波長を持つ青色半導体レーザーダイオードを用いて、純銅を積層造形する3Dプリンタは世界で初。

 純銅は高い電気伝導性と熱伝導性を有しており、高水準な効率と精度で積層造形できる技術は、航空宇宙や電気自動車の部品加工などでの応用が期待されている。

 3Dプリンタを用いた積層造形技術は複雑な造形ができるほか、少量多品種品の製造で多様化する顧客ニーズへの対応を可能にすることが期待されている。ただ近赤外線レーザーを用いた従来の3Dプリンタでは、純銅素材の溶融などに課題があった。今回の開発品は青色半導体レーザーを高輝度化することで実現したもの。

 開発はNEDOの委託プロジェクトとして実施。大阪大学接合科学研究所の塚本雅裕教授らの研究グループが島津製作所と共同で、日亜化学工業と村谷機械製作所の協力を受けて進めてきた。

 NEDOの委託プロジェクトはレーザーの技術開発に関するもの。今回レーザーで確立した技術は3Dプリンタ以外での応用も視野に入れている。

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