「福岡発 売り子名鑑」目印は「大きな口」 看護師を目指す“白衣の天使”の卵

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アサヒビールの「みいこ」さん【写真:福谷佑介】

5月末に売り子になったばかりの新人、母と同じ看護師を目指して文系から理転

 球場の新たなエンターテインメントとなっている「売り子」。美女どころといわれる福岡のヤフオクドームで働くアサヒビール、キリンビールの両メーカーの売り子を不定期連載で紹介している「福岡発 売り子名鑑」の第30回をお届けする。残るところ日本シリーズのみとなった今季。これまでに紹介した売り子も含めてお気に入りを見つけ、残る試合でのスタジアムの楽しみの1つとなれば、幸いだ。

 第30回はアサヒビールの「みいこ」さん、だ。

 5月末に売り子になったばかりだという、まだ新人売り子の彼女。「みいこ」はニックネームではなく本名だ。大学では看護学部に通う1年生で、母親と同じ看護師を目指す“白衣の天使”の卵である。

 母と同じ道を志すきっかけとなったのが、高校時代の経験だった。「バレーボールをやっていたんですが、高3の本当に最後の試合くらいの時でした。試合中にマネージャーが倒れた時、応援に来ていた母が応急処置をしていたのを見て、格好いいなと憧れたんです」。進路を決める寸前で目指すものが出来た。文系だったが、理転して看護学部に進んだ。

 大学入学後、しばらくはアルバイトもせずに学生生活を送っていたというが、一足早く売り子を始めていた高校時代の友人に誘いを受けた。「高校の1個上の先輩も売り子をやっていて、いいなとは思っていました。友達も、大変だけど、すごい楽しいと言っていて、そういうやり甲斐のあることをやりたいと思い、入りました」。本格的に売り子生活が始まったのは6月になってから。まだキャリアは4か月ほどだが、早くも、その楽しさを感じているという。

キャリア4か月で自己ベストは軽く100杯超、その秘訣は…

「体力には自信はあったんですけど、実際にやってみたら7回くらいでフラフラになりますし、階段の1番上まで登らないといけないのはキツイなと思います。まだそれには慣れません」

 約15キロのタンクを背負いながらのスタンドの昇り降りは、見た目以上に重労働だが、「しんどいですけど、しんどいからこそ頑張ろうと思えます」と懸命に汗を流している。

 売り子を始めて、まだ4か月ほどだが、自己ベストは100杯を軽く超える。そこに隠された売り子の秘訣を教えてくれた。

「階段を登るペース、降りるペースが大事なんです。登る時はゆっくり登るんですけど、降りる時は速く降りたほうが無駄な時間が少なくなります。降りるときはお客様の後ろからになるので、買ってもらえることはほとんどないんです。前から目線を合わせたほうが気付いてもらえますし、視界も広い。売り子は上を向いているときがメインなんです。階段を降りるペースは、見ていただけると分かりますが、みんな速いと思います」

 ただ声を上げているだけではないのである。

 売り子の魅力について「私、口が大きいので、少し笑っているだけでもめちゃくちゃ笑っているように見えるらしく、お客様に『笑顔がいいね』と言って頂けることが多くなりました。『待ってたよ』と言って頂ける方がいたりして。そういう方がいると嬉しいですし、疲れていても、体力が回復します」と語る「みいこ」さん。三塁側外野席が売り場の中心で、目印は水色のシュシュだ。

「シュシュもつけていますけど、目印は大きな口だと自分で思っています。常に笑顔を心がけていますので、大きい口を目印に私のことを見つけていただけたら、と思っています。よろしくお願いします」

(Full-Count編集部)