アメリカ的にショーアップされたF1をハミルトンが絶賛。ベッテルは伝統的な雰囲気が好み

 F1アメリカGPの週末、F1新オーナーのリバティ・メディアが新たな試みとして取り入れた数々のショーを、ルイス・ハミルトンは絶賛、F1が欠いていたものはショーマンシップであり、今後こういった方向に進むべきだと語った。

 オースティンのプロモーターは今年のグランプリの週末を華やかなショーで盛り上げるべく、最大の努力を払い、決勝前にも豪華なイベントを開催した。チアリーダーが登場するなか、有名リングアナウンサーのマイケル・バッファーがおなじみのよく響き渡るシャウトで20人のドライバー全員を紹介し、ウサイン・ボルトがフォーメイションラップ開始のフラッグを振った。そしてその場面をビル・クリントン元大統領が見守っていたのだ。

「素晴らしいと思うよ。アメリカ人は見せ場を盛り上げることに関しては、僕らヨーロッパ人より数段上だね」とハミルトンは言った。

「スーパーボウル、NFL、NBAのゲームを見てごらんよ。ヨーロッパの他のスポーツイベントよりずっと楽しいから」

「より華やかで雰囲気があるんだ。僕はそれがグランプリに影響し始めたことはいいことだと思う。あれは僕がいままで見た中で最高のグランプリのスタートだったと思うよ」

「もしこういうことをもっとF1文化に取り入れることができたら、より一層エキサイティングになると思うんだけどな……セックスアピールがあったよね。それこそがモーターレーシングに長いこと欠けていたものだと思う」

 今年、新たにF1を取り仕切る役割を引き継いだ、アメリカをベースとするリバティ・メディアは、すべての世界選手権ラウンドにおいて進行を活気づけ、レース前にスーパーボウルのようなショーをファンに届けようとしている。

 しかしながらレッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、その様式が従来からの開催地で受け入れられるのかどうかについては懐疑的だ。

「もしそれがアメリカの観客の興味を引くならいいではないか? レースの価値を損なってはいないし、レース前に観衆を興奮させることができたようだ」とホーナーは語った。

「(ただ)誰もがそれを好むというわけではないと思う。例えばそれがシルバーストンでうまくいくとは思えない。だがグランプリにこういったものが導入されたのは興味深いことだった」

 フェラーリのセバスチャン・ベッテルも、ドイツのファンはもう少しトラディショナルな雰囲気を好むだろうと示唆した。

「アメリカのファンは比較的そうした雰囲気とエンターテインメント性を好むんだ。ドイツの人たちはその面に関してはそこまで積極的ではないかもしれないね」とベッテルは語った。

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