MVPもいれば、戦力外も…過去5年間12球団の「ドラ1選手」の実績は?

日本ハム・大谷翔平【写真:石川加奈子】

最近のドラ1は現時点でどのくらい成長しているのか

 2017年のドラフト会議が26日に行われる。今年は早実の清宮幸太郎、広陵の中村奨成、履正社の安田尚憲の「高校ビッグ3」に注目が集まる。彼らは当然、ドラフト1位候補だろうが、過去5年間、12球団が獲得した「ドラ1」が現時点でどのくらい成長しているのか、調べてみた。

 ドラフト1位で入団した選手の通算での安打数(投手のも含む)、勝利数、セーブ数。チームごとの合計も出した。

【パ・リーグ】

◯ソフトバンク
2012投 東浜巨 0安打 31勝0S0H
2013投 加治屋蓮 0安打 0勝0S0H
2014投 松本裕樹 1安打 2勝0S0H
2015投 高橋純平 0安打 0勝0S0H
2016投 田中正義(1軍出場なし)
合計 1安打 33勝0S0H

◯西武
2012投 増田達至 0安打 14勝59S76H
2013捕 森友哉 302安打 
2014投 高橋光成 0安打 12勝0S0H
2015投 多和田真三郎 0安打 12勝0S0H
2016投 今井達也(1軍出場なし)
合計 302安打 38勝59S76H

◯楽天
2012投 森雄大 0安打 3勝0S0H
2013投 松井裕樹 0安打 11勝96S30H
2014投 安楽智大 0安打 5勝0S0H
2015外 オコエ瑠偉 61安打 
2016投 藤平尚真 0安打 3勝0S0H
合計 61安打 22勝96S30H

◯オリックス
2012投 松葉貴大 2安打 25勝0S0H
2013投 吉田一将 0安打 13勝1S28H
2014投 山崎福也 1安打 8勝0S0H
2015外 吉田正尚 138安打 
2016投 山岡泰輔 0安打 8勝0S0H
合計 141安打 54勝1S28H

◯日本ハム
2012投外 大谷翔平 296安打 42勝0S1H
2013内 渡辺諒 8安打 
2014投 有原航平 1安打 29勝0S0H
2015投 上原健太 0安打 1勝0S1H
2016投 堀瑞輝 0安打 0勝0S0H
合計 305安打 72勝0S2H

◯ロッテ
2012投 松永昂大 0安打 12勝1S81H
2013投 石川歩 1安打 39勝0S0H
2014内 中村奨吾 195安打 
2015内 平沢大河 28安打 
2016投 佐々木千隼 0安打 4勝0S0H
合計 224安打 55勝1S81H

 投打で破天荒な活躍をした大谷翔平がいる日本ハムが305安打、72勝でトップ。日本ハムは有原もエース級に育ち、育成の強みを見せている。西武は森友哉が中心打者、増田が救援投手として成長。楽天は松井がリーグを代表するクローザーとなった。

 ソフトバンクは東浜が今季の最多勝に輝いたが、他の選手はまだ育ってきていない。層の厚さもあるが、2014年以降は将来性重視で高校生中心の指名となっている。オリックスは松葉が25勝しているが、それ以上に吉田正尚の打棒に期待がかかるところだ。ロッテは石川がエース級に、佐々木も今季4勝を挙げた。

DeNA・山崎康晃【写真:荒川祐史】

セ・リーグは…

【セ・リーグ】

◯広島
2012外 高橋大樹 0安打 
2013投 大瀬良大地 11安打 26勝2S24H
2014外 野間峻祥 62安打 
2015投 岡田明丈 8安打 16勝0S1H
2016投 加藤拓也 0安打 1勝0S0H
合計 81安打 43勝2S25H

◯阪神
2012投 藤浪晋太郎 27安打 45勝0S0H
2013投 岩貞祐太 5安打 17勝0S0H
2014投 横山雄哉 1安打 3勝0S0H
2015外 高山俊 218安打 
2016内 大山悠輔 47安打 
合計 298安打 65勝0S0H

◯DeNA
2012内 白崎浩之 158安打 
2013投 柿田裕太(1軍出場なし)
2014投 山崎康晃 0安打 8勝96S29H 
2015投 今永昇太 11安打 19勝0S0H
2016投 濱口遥大 2安打 10勝0S0H
合計 171安打 37勝96S29H

◯巨人
2012投 菅野智之 36安打 61勝0S0H
2013捕 小林誠司 227安打 
2014内 岡本和真 13安打 
2015投 桜井俊貴 0安打 0勝0S0H
2016内 吉川尚輝 3安打 
合計 279安打 61勝0S0H

◯中日
2012投 福谷浩司 0安打 7勝38S49H
2013投 鈴木翔太 1安打 5勝0S0H
2014投 野村亮介 0安打 0勝0S0H
2015投 小笠原慎之介 4安打 7勝0S0H
2016投 柳裕也 1安打 1勝0S0H
合計 6安打 20勝38S49H

◯ヤクルト
2012投 石山泰稚 3安打 15勝10S48H
2013投 杉浦稔大 2安打 6勝0S0H
2014投 竹下真吾 0安打 0勝0S0H
2015投 原樹理 9安打 5勝0S0H
2016投 寺島成輝 0安打 0勝0S0H
合計 14安打 26勝10S48H

 セ・リーグで安打数、勝利数とも最多は阪神。今年は不振に苦しんだが藤浪晋太郎が45勝。金本監督になってから若手の抜擢が続いて高山、大山も実績を上げている。巨人は今やセのエース菅野、そして女房役の小林が主力級に育っている。

 DeNAは山崎がクローザーに、今永、濱口が先発投手として実績を上げている。広島は大瀬良、岡田が主力投手になったが、層が厚くなっているのでドラ1でも出世は遅い。中日は福谷が38セーブを挙げた程度。ヤクルトも石山が先発、中継ぎで実績を上げたが、その他に目立っている選手はいない。

 すでにMVP受賞選手も2014年の巨人菅野、2016年の日本ハム大谷と2人出ている。期待通りに活躍する選手がいる一方で、育成重視の球団もあり、5年間の12球団のドラ1選手60人のうち、まだ1軍出場がない選手が3人いる。また、中日の2014年ドラ1野村亮介は3年で早くも戦力外を通告された。

 ドラフト1位と言ってもそれだけで注目されるのはシーズンが始まるまで。あとは結果次第で評価が天と地ほど違ってくる厳しい世界だ。今年のドラ1選手12人は、どんな野球人生を歩むだろうか?

(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2