【ドラフト】日ハムが交渉権、清宮が語った胸の内 両親への感謝、仲間への思い、将来の夢

日本ハムが交渉権を獲得した清宮幸太郎【写真:篠崎有理枝】

7球団競合の末、日本ハムが交渉権獲得

 今年のプロ野球ドラフト会議で最大の注目だった早実の清宮幸太郎内野手が7球団から1位指名を受けた。抽選の末に日本ハムが交渉権を獲得。7球団の競合は高校生としては1995年の福留孝介(PL学園)と並ぶ最多タイとなった。

 ロッテ、ヤクルト、日本ハム、巨人、楽天、阪神、ソフトバンクが1位指名した高校通算最多111本塁打のスラッガー。指名を受けた後は早実高で会見を実施。プロ入りに向け、「『清宮なくして今のチームはない』と言ってもらえるような貢献をしたい」と意欲を見せた。

 以下が主な一問一答。

――7球団競合。どのような気持ちでしたか?

「会場で自分の名前が表示されたり、読まれるたり。今までは見ている立場。今までにない感覚がありました」

――日本ハム交渉権獲得。それについては?

「ものすごくいい選手がたくさんいる。いいチームだというイメージがある。本当に嬉しい」

――プロに向けての気持ちは?

「プロの世界は別の世界だと思っている。高校までの結果に甘んずることなく、プロの世界に入ったらしっかり練習して鍛錬して磨きをかけたい」

――憧れの舞台に向けて動き出す。これからどのように活躍したい? 

「結果を残していないのでどうこう言えない。自分を信じてプロの世界でやっていきたい」

――早稲田実業で学んだことは?

「1年ごとに立場が変わり、いろいろな経験をした3年間だった。この3年間で自分の人生が大きく変わったと思っている。自分の思うように練習をさせてもらった。自分を信じて練習をやってきたから今の自分があると思う」

――家族とはどういう話をした?

「父も母も大学出ているので、大学の良さもわかっている。それでも自分が選ぶ道を応援する、サポートするという姿勢でした」

――両親に何を伝えたい?

「今の自分は両親なくしてない。育ててもらった18年間に恥じないように、いい大人になっていいプロ野球選手になると言いたい」

――和泉監督に伝えたいことは?

「1年の時から使っていただいた。自分の思うようにやらせてもらった。そういうところがあったから成長できたと思っている」

――プロの険しい道に何が必要だと思っていますか?

「これからどういう道のりになるかわからない。自分を信じて、ぶれることなく目指すところをしっかり進んでいけたら」

1年目に目標とする本塁打数は「あまりない。目の前のこと一つ一つ」

――栗山監督の印象は?

「采配もサプライズも多いというか枠にとらわれないところがすごく好きなので、いい監督に巡り合うことができた」

――斎藤佑樹、荒木大輔ら早実の先輩のいる球団。

「かぶっていないので。上の人たちになるが、頼るところは頼って、見習うところは見習いたい」

――東京を離れて北海道に行くことになるが、地域の皆さんにはどういう気持ちがある?

「12年間通っていた。街並みも変わった。注目されるようになっても変わることなく接してくれていた。ここで12年間過ごせて本当によかった」 

――北海道のイメージは?

「寒いというのと、おいしい料理がありそう」

――同じ高校生のスラッガーがドラフト1位指名された。彼らはどんな存在? 彼らとどんな風に活躍していきたいか。

「U-18でも一緒だったりしたので、自分のことよりうれしい。知ってる人がドラフト1位で指名されているのを見ると、すごい奴らと一緒にやっていたんだなと思う。自分の刺激にもなる。負けないようにやっていきたい。

――清宮選手にとっていい大人とは?

「人間として、そこがしっかりしていないと、いいプロ野球選手になれない。そこは自分の中で大事にしている」

――「人生で最初で最後の日」と言っていたが、改めて今日はどうだった?

「もう一生ないので、どんな感じかなという感覚ではいた。どう言葉で表現したらいいかわからない感覚。昨日からそわそわしていた」

――ドラフトについてチームメートやクラスメートから何か言われた?

「『頑張れよ』とか、人それぞれ声をかけてくれた」

――1年目に目標とするホームランの数は?

「あまりない。目の前のこと一つ一つやっていく。王さんの目標もあるが、まだそんなことを掲げられる選手ではない。目の前のこと1個1個クリアしていくことに精進できれば」

仲間への思い「ここで去ってしまうのはさみしい、ここに来て本当によかった」

――日本ハムの選手として、どんな選手になっていたい?

「あまりない。志が低いわけではないが。高校の時も何本打ちたいとかはなかった。それが自分のスタイル。それを貫いていきたい」

――学力テストの期間中で英語・数学・国語のテストはどうだった?

「普段通りで大丈夫です」

――早実ともお別れになるが、仲間たちになんて伝えたい?

「12年間通ってきて、ずっと一緒だった仲間、いい仲間がたくさんいる。自分にとって、学生時代の仲間はここのみんながすべて。みんなに出会えたことが自分の中ですごくうれしかった。年下の後輩たちも、秋の大会をやっている。『あいつらなりに頑張っているな』と思う。ここで去ってしまうのはさみしい、ここに来て本当によかった」

――抽選の結果、どこでどのように見ていた? 会見までどのようにして過ごしていた?

「監督と一緒に見ていた。自分が終わった後は『誰がどこかな』と予想しながら見ていた。

――7球団から指名があった。このプロ側の評価をどう考えている? 

「たくさんの球団の方々に指名していただけるとは思っていなかった。光栄です。何も始まってないので、数よりもここからが大事だと思う」

――昨晩はよく眠れた?

「あんまり寝られなかった。そわそわして」

――日本ハムは大谷、中田翔など、高卒で球界を代表する選手になっている人が多いが、どういう印象を持っている? 話を聞いてみたい選手は?

「素晴らしい選手がたくさん育っている。他の球団よりも育成に力が入っていると思う。自分も同じように、それ以上に成長できる環境に入ることができるという期待を持っている。話を聞きたい選手は、素晴らしい選手ばかりなので、いろんな人にいろんなことを聞きたい」 

――日本ハムから指名が決まったときにどんな表情をしたか? 

「イメージがわかない。『どういう感じなのかな』というところはあった」

対戦したい投手は明言せず、「みんな素晴らしいと思っている」 

――日本ハムの日本シリーズで始球式をしたことがあるが、当時の思い出は?

「緊張して『人が多いな』ということくらいしか覚えていない。栗山監督には会釈をした。今思えば、あの時から縁あったのかなと思う」 

――高校時代と同じように長打を期待されると思うが、プロの世界でどういう形でチームに貢献したい?

「素晴らしい選手ばかりなので、1軍でレギュラーで出たりは難しいと思う。でも、プロ野球選手になるからには、目指すべきところだと思う。『清宮だめじゃないか』と言われるのは嫌。プロ野球選手として恥ずかしい。『清宮なくして今のチームはない』と言ってもらえるような貢献をしたい」

――日本ハムがくじを引き当てた瞬間、うれしかった?

「指名していただいたところから嬉しかった。その後は『日ハムか』という感じでした」

――日本ハムが交渉権を獲得して、最初に思い浮かんだことは?

「たくさんいい選手が育っているので、すごくいい育成をされているという印象。そこが1番でした」

――こういう部分を伸ばしていきたいなというところは? プロで対戦したい投手は?

「走攻守、全部伸ばせれば。足りないことばかりなので。欲を出して取り組めればと思う。対戦するピッチャーはみんな素晴らしいと思っているので、特に誰というのはない」

――U-18が終わってからパワーアップしたいと言っていたが、どういう練習をやっている?

「ウエイトトレーニングもしているし、走ってもいる。今までと変わりはない。体作りはシーズン中より負荷をかけている」

――どういうのがいい大人で、どういうのがいいプロ野球選手だと考えているか?

「人として尊敬される人になりたい。『清宮、裏ではああいうやつなんだよ』というのは嫌。グラウンドでも、グラウンドじゃなくても目標とされる人になりたい」

――プロ野球選手の次の夢は?

「メジャーリーグに行きたい。先のことは何も残してないから言えないが、夢はある。そこに向かって目の前のことをやっていきたい」

(Full-Count編集部)

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