鶴見の産業や文化発信 横浜商大生が冊子発行

 日本を代表する企業や、独自の技術を持つ中小企業をはじめとした、横浜市鶴見区の産業や文化を紹介した冊子「TSURUCHARM(ツルチャーム) 私が見た鶴見★しごと」が発行された。取材・編集をしたのは、横浜商科大学(同区)の学生たち。大学生がとらえた地元の魅力を詰め込んだ一冊になっている。

 ツルチャームは、同区の企業約170社で構成されている「鶴見区工業会」の会報に学生が書いている企業の紹介記事がベース。2015年に同区と大学が包括連携協定を結んだことを機に始まった活動を、区制90周年を記念して冊子にした。学生を指導した同大学地域産業研究所の小林二三夫所長は、「鶴見には工業と東海道があり、沖縄をルーツにする人もいる。新しい面と古い面、そして文化的な側面も追加取材してまとめた」と話す。

 登場するのは、企業や魚市場、寺など41カ所。「鶴見で働く」を切り口に卒業生を含む17人が取材し、その歴史や特色、地域との関わりなどを学生目線で紹介した。

 「鶴見の企業で世界的に重要な機械が造られていることを初めて知った」という商学科3年の久保優希さん(20)は、「従業員や地域との関わりを大事にしている経営者も多く、働くことはすてきなことだと思った」。同科2年の大宮穂乃花さん(19)は、仲通地区にある沖縄物産店などを取材。「信念を持っている企業が多く、何を思って事業をしているのかを知るきっかけにもなった」と振り返る。

 題名の「ツルチャーム」は、同科3年の菅野七海さん(21)が「鶴見の魅力」をイメージして考えた。「地味な印象だが、素晴らしいところ。冊子を通じ、鶴見のことをどんどん好きになってほしい」と思いを込める。

 学生が手掛けたことで、誰にも親しみやすい内容に仕上がった。同科2年の笠間健太郎さん(19)は「中学生から大学生に読んでほしい。地元の人にも、こんなに素晴らしい企業があると再確認してもらえれば」と話す。

 「ツルチャーム」は、同大学や同区役所などで無料で配布している。問い合わせは、同大学電話045(571)3901。

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