11月に下がりやすい3つの業種と要注意銘柄は?

11月は、10月に続き3月決算企業の中間決算が本格化する月ですが、日本企業は決算内容を保守的に見積もることが多く、決算発表後は決算内容に対しての失望売りが出やすい傾向があります。そのため11月相場は軟調に動きやすいと言われています。今回は、そのような11月相場の中でも特に下落傾向が強い業種について調べてみました。

11月株式市場の傾向

11月は10月に続き、3月決算企業の中間決算が本格化する月ですが、日本企業は決算内容を保守的に見積もることが多く、決算発表後は決算内容に対しての失望売りが出やすい傾向があります。そのため、11月相場は軟調に動きやすいと言われています。今回は、そのような11月相場の中でも、特に下落傾向が強い業種について、過去の株価データから統計的に検証してみました。

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検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)

検証期間:1990/03/01~2017/9/30

1銘柄当たりの投資金額:20万円

買い条件

・10月末の最終営業日の寄り付きで買い

売り条件

・25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り

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10月末に、ある業種の銘柄を全て購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に、勝率が50%未満で損益がマイナスならば、11月は株価が下がりやすい月となります。

以上のルールで、過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。

11月相場で低調な業種ランキング、ワースト3

○1位:パルプ・紙(3銘柄)

システムトレードの達人

勝率:36.23%

勝ち数:25回

負け数:44回

引き分け数:0回

平均損益(円):-2,729円 平均損益(率):-1.36%

平均利益(円):13,792円 平均利益(率):6.90%

平均損失(円):-12,117円 平均損失(率):-6.06%

合計損益(円):-188,323円 合計損益(率):-94.17%

合計利益(円):344,806円 合計利益(率):172.41%

合計損失(円):-533,129円 合計損失(率):-266.58%

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失):0.647

平均保持日数: 27.38日

○2位:水産業(2銘柄)

システムトレードの達人

勝率:36.36%

勝ち数:16回

負け数:28回

引き分け数:0回

平均損益(円):-4,864円 平均損益(率):-2.43%

平均利益(円):12,475円 平均利益(率):6.24%

平均損失(円):-14,771円 平均損失(率):-7.39%

合計損益(円):-213,998円 合計損益(率):-107.00%

合計利益(円):199,595円 合計利益(率):99.80%

合計損失(円):-413,593円 合計損失(率):-206.80%

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失):0.483

平均保持日数:27.36日

○3位:海運(3銘柄)

システムトレードの達人

勝率:37.50%

勝ち数:30回

負け数:50回

引き分け数:1回

平均損益(円):-5,822円 平均損益(率):-2.91%

平均利益(円):16,517円 平均利益(率):8.26%

平均損失(円):-19,342円 平均損失(率):-9.67%

合計損益(円):-471,611円 合計損益(率):-235.81%

合計利益(円):495,500 円 合計利益(率):247.76%

合計損失(円):-967,111円 合計損失(率):-483.57%

プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失):0.512

平均保持日数: 27.41 日

以上が、11月相場で特に低調だった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%を切っており、1トレードあたりの平均損益はマイナスになっています。従って、この3業種は11月に下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

今回の検証でご紹介した3つの業種は、11月相場で下がりやすい傾向にありました。では、これらの業種の中でも特に下落傾向が強かった銘柄は何でしょうか?最後に、11月相場で下落傾向の強かった3業種の中でも、特に成績が低調だった個別銘柄をご紹介します。

11月低成績ランキング

システムトレードの達人

上記の表は、先ほどの検証結果において、特に勝率の低い銘柄のランキングです。「川崎汽船(9107)」「日本製紙(3863)」「マルハニチロ(1333)」などが、11月相場では要注意といえるでしょう。

11月相場は買いを控える投資家が多く、出来高が少なくなることで、売りが出やすくなることから、株価は軟調に推移する傾向があると言えます。ご紹介した3つの業種の銘柄を買うときは、こうした傾向を踏まえておくとよいでしょう。

(文:西村 剛)

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