矢崎総業と産総研、連携研究ラボを設立 車の電動化や先進運転技術に対応、高度接続技術を開発

 ワイヤハーネス大手メーカーの矢崎総業(社長・矢崎信二氏)と産業技術総合研究所(産総研、理事長・中鉢良治氏)は26日、茨城県つくば市の産総研つくばセンター内に連携研究ラボを設立したと発表した。ワイヤハーネスで培ってきた接続技術や製品開発力を持つ矢崎総業と、新規ナノ材料の合成や評価・解析でさまざまなノウハウを有する産総研が協力。自動車の電動化や先進運転技術の発達に対応し、高度な信頼性・性能を有する接続技術の確立を目指す。

 自動車では電動化により、使用するエネルギーの高電圧・大電流化が進展。併せて将来的には情報通信ネットワークへの接続が本格化し、車載システムにはこれまで以上に信頼性が求められるようになる。新たに設立された研究組織である「矢崎総業―産総研次世代つなぐ技術・連携研究ラボ」では車載システムの基盤の一つである接続技術に関して、両者の技術を融合。未来の自動車に対応可能な高性能で高信頼な「つなぐ」技術の開発を推進する。接続部材への新規ナノ材料の適用可能性を見極めるほか、次のステップへの課題抽出などを行う。

 人員体制は15人程度を予定。ラボ長には産総研ナノ材料研究部門の清水哲夫上級主任研究員が、副ラボ長には矢崎総業技術研究所の白須賢治ナノマテリアル研究部長が就いた。開発成果については基本的に矢崎総業の事業で活用していく方針。24日には都内で発足式が行われた。

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