CSでのラミレス采配に注目、「采配も鋭いなと感じています」
日本シリーズ開幕を翌日に控えた27日、監督会議後にソフトバンク・工藤公康監督の前日会見が行われ、工藤監督は「選手たちを信じて戦っていく」と強い決意を述べた。
ラミレス監督との事前会議を終えた工藤監督が会見場に登場。まずは開幕を控えた今の心境を語った。
「非常に落ち着いている感じが自分でもあります。明日になればワクワク、ドキドキすると思いますけど、選手が自分たちの力を出してくれてここまで来ることができたので、日本シリーズも選手たちとともに、熱く戦っていければいいなと思っています」
この日は13時から全体練習。全員でのアップの際は、コカ・コーラシートのフェンスに腰をあずけて選手たちの動きを見守った。表情には硬さが見えたものの、選手たちに寄せる信頼は厚い。
「選手は非常に明るくやってくれています。日本シリーズという最高の舞台でやるのは緊張もするし、ドキドキもするでしょうが、ボクは選手を信じて使っていくだけですし、選手もしっかり力を出してくれると信じています。ボクにとっては2回目の日本シリーズですが、選手全員が怪我なくいるのは初めて。そういう意味ではすごく期待もしていますし、素晴らしいゲームをしてくれると信じています」
25日の練習後、「現役時代によく打たれた」とラミレス監督との思い出に浸っていた工藤監督だったが、会見ではDeNAというチームについての感想を改めて語った。
工藤監督「ラミレス監督との対決も楽しみ」
「CSのファイナルステージを見る限り、素晴らしいチームだと思いますし、ラミレス監督との対決も楽しみにしています。ピッチャーがある程度抑えて、打撃陣がそれ以上に打っていくというバランスのいいチームだと思いますし、ピッチャーを1回で代えたりするなど采配も鋭いなと感じています」
このシリーズでは当然両監督の短期決戦ならではの采配に注目が集まるが、工藤監督は「そこは意識していない。ラミレス監督はバッター出身、ボクはピッチャー出身というところもありますので、そこはみなさんの中で楽しんでいただければ」と話す。
「CSを見ると、パ・リーグでは先取点を取ったチームが圧倒的に有利だと結果が出ていますし、DeNAさんは点を取られてもすぐに逆転をしてというゲームをしています。それぞれ特徴があるチームだと思いますので、とにかくボクたちはボクたちの野球、先取点を奪って1点でも勝ち越して、6回以降は万全のリリーフで最後まで点差を守り抜いて勝っていくというところをしっかりやっていきたいと思います」
そして最後に、工藤監督は今回のシリーズで「多くの人に元気を与えたい」と語った。
「子どもたちには夢を与えられるように、そして東北や九州の震災で被害を受けて元気をなくされている方に、少しでも元気になっていただけるように。ボクらは1つの白球をみんなで追いかけて『素晴らしい日本シリーズだね』と言っていただけるように頑張るだけです」
なお、監督会議の結果、今回のシリーズでは予告先発制は採用しないことで決定。左の先発が豊富なDeNAが、CSで左腕に2敗したソフトバンクに対してどのようなローテを組んでくるのか、情報戦も大きなポイントとなりそうだ。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)