お小遣いの目的とは？
お小遣いを持つ年齢になると、いくら位が適正か？定額制と報酬制はどちらがいいか？などと悩まれると思いますが、お小遣いを与える前に考えるべき事は、金額や与え方ではなく、まずは「何の為にお小遣いを与える必要があるのか？」ということです。
親が買って与えるのではなく、なぜお小遣いを渡し自分で買う経験をさせる必要があるのでしょうか？
お小遣いを与える目的は「お金の使い方」を学ぶことです。お金を使い、小さな失敗と成功を繰り返しながら、金銭感覚を養う事が目的です。好きな物を買える喜び、お金が足りず買えない悔しさ、買い物に失敗してお金が減る悔しさ、お金を貯めて目標を達成する喜び、プレゼントをあげて誰かを喜ばせることができる喜び……たくさんの感情と思考が消費者として生きる力となって身に付きます。
「無駄使いはダメよ」⇒× 使わないことが美徳ではない
「大切に使ってね」⇒◎ 使いながら学ぶ
無駄使いも経験させる
子どもは「無駄使いをしよう」と思って買い物をするわけではありません。結果的に 無駄使いだったと失敗や後悔という経験からしか「何が無駄使いであるか」を学ぶことができませんので、大人から見れば無駄使いに思える買い物もぐっとこらえて、あえて失敗させる経験も必要です。
失敗したからこそ、「今度は値段をよく見て買おう」「他のお店と比較しよう」「落としたり紛失しないように、財布はしっかりバッグに入れよう」「大事に使おう」「お金を貯めよう」「貸し借りは絶対やめよう」と多くの学びを得て、上手にお金の管理ができるようになっていきます。
大人になってからのお金の失敗は金額も大きく、ただお金が減るだけではなく、人としての「信用」も失いかねません。だからこそ、子ども時代に小さな失敗を経験させ、大きな失敗しない為の知識や知恵をたくさん積ませることが必要なのです。
お金とポジティブに付き合う為に成功体験も必要
また、お金に関する成功体験もお金とポジティブに付き合う為に必要な経験です。
「思っていたより安く買うことができた」「お金を貯めてずっと欲しいと思っていた物が購入できた」「お手伝いをしたらお小遣いをもらった」「困っている人を助けることができた」「プレゼントを買ったら喜んでくれた」、このように、お金を「幸せに豊かになる為のひとつの道具」として上手にポジティブに使うことができたら素晴らしい人生が送れるではないでしょうか？
従って、経験からしか身に付けることのできない知識や知恵を得る為には、お金やお小遣いから子どもを遠ざけるべきではありません。時々、お小遣いを与えても全て貯金し使わないお子さんもいますが、お金は使わないと金銭感覚が身に付きませんので、使う機会を与える事も親の役目です。
金額と与え方の基本ルール
このようにお小遣いの目的が明確になれば、年齢や子どもに応じた金額を考えることができるようになります。基本的には「子どもが管理できる金額」と「失っても家計に影響がない金額」です。
例えば毎月の定額制の場合、小学校低学年ならば、おやつを買ったりする500円以内、小学校高学年なら、おやつに加え漫画や文房具を買う金額で1000円以内、中学生になれば、友人と映画に行ける金額で2000円以内というように、家庭で話し合いながら決めていけばいいでしょう。
また、お小遣いを与えっぱなしではなく、良い金銭感覚が身に付いているか確認する為にも、どんな事にいくら位使ったのかを会話やお小遣い帳を通し把握しておくことを忘れてはいけません。そして良いお金の使い方をした時は褒め、間違ったお金の使い方をした時は注意をする。そのようにお小遣いを通し、金銭教育を家庭内で行うようにしていき、経済的自立が将来果たせるように促していきましょう。
