湘南がJ2優勝 サポーターに広がる歓喜

 サッカーJ2の湘南ベルマーレが29日、2度目の優勝を果たした。台風22号の接近による強雨にもかかわらず、多くのサポーターが優勝の瞬間を見届けようと、ShonanBMWスタジアム平塚(平塚市)に足を運んだ。勝って優勝とはならなかったものの、試合終了の瞬間、チームを鼓舞し続けたサポーターの声は歓喜へと変わった。

 ベルマーレは28日、2シーズンぶりのJ1復帰を決めており、この日も試合前からサポーターの熱気は最高潮。湯河原町に住む中学2年(14)はJ1復帰を「本当にうれしかった」と喜び、「今日も『走るサッカー』で、とにかく勝って優勝を」と期待し、雨中のスタジアムへと向かった。茅ケ崎市在住の会社員(52)も試合前、「もっと苦しむシーズンかと思っていたが、2位にこれほどの大差をつけるとは予想外」と驚き、「最悪なコンディションだが、サッカーを楽しむ姿を見せてくれれば」と話した。

 試合開始とともに、スタジアムにはサポーターの歌声がこだました。背中を押されるように、ベルマーレイレブンも次々とチャンスをつくる。前半終了間際、FWジネイ選手がヘディングシュートを決めると、先制点を待ちわびていたサポーターは立ち上がったり、タオルを回したりして喜びを爆発させた。

 後半は一転、押し込まれる展開に。守備陣が体を張ってゴールを守り、GK秋元陽太選手のスーパーセーブも飛び出したが、試合終了間際に失点し、同点。一瞬、静まり返ったサポーターは、それでもすぐに大きな声を出し、ピッチ上の選手を鼓舞した。そして、歓喜の時は訪れた。試合終了のホイッスルが鳴り響くと、スタジアムは興奮に包まれた。

 ファン歴20年以上の横浜市神奈川区に住む会社員(43)は優勝決定の瞬間、両拳を突き上げた。「初めてホームでの優勝を見届けることができた」と号泣。来季に向け、「湘南らしい『走るサッカー』を前面に、持てる力をすべて出し切って、少しでもベルマーレの存在を刻んでほしい」とJ1の舞台での飛躍を願った。

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