ユース年代の活躍が目立つイングランド

U-17ワールドカップはイングランドの優勝で幕を閉じました。今年行われたユース年代の国際大会ではイングランドの活躍が目立ちます。

先日決勝戦が行われたU-17ワールドカップは、スペインを5-3で沈めたイングランドの優勝で幕を閉じました。この大会で日本は優勝したイングランドにPK戦の末に敗れましたが、イングランドを無得点に抑えた唯一の代表チームだったことは大いに評価できるのではないでしょうか。

2つの年代が国際大会で優勝。イングランドに高まる期待

このU-17ワールドカップはイングランドにとって、今年2つ目の国際大会のタイトルです。一つ目は今年の6月にU-20ワールドカップで獲得したものでした。ちなみに、この大会でも日本は決勝に進出したベネズエラに敗れて敗退しました。90分間ベネズエラを0得点に抑えたのは優勝したイングランドと日本だけです。

本題のイングランドですが、U-20ワールドカップのすぐ後に行われたU-21EUROでもベスト4に進出。各年代の充実が見てとれます。

もちろん母国では1966年以来の悲願のワールドカップ優勝が最終的な目標なので、国営放送のBBCでも若手選手の起用方法などが盛んに議論されています。

様々なルーツを持つ選手たち

イングランドが近年力をつけた理由のひとつには、移民の増加により様々なルーツを持つ選手が増えたことがあると思います。U-21代表のエースストライカーのタミー・エイブラハムとドミニク・ソランケは二人ともナイジェリア系ですし、CB/SBのジョー・ゴメスはガンビア系、MFのロフタス=チークやデマライ・グレイはジャマイカ系です。

もともとジャマイカ系の選手は何人かイングランド代表にいましたが、それ以外のルーツを持つ選手も増えつつあります。

育成で世界をリードするドイツも、トルコ系の選手をはじめ様々なルーツを持つ選手が代表チームで活躍しています。そういった選手が極端に少ないスペインは、ヨーロッパの中では例外的な存在と言っていいでしょう。

様々なルーツを持つ人々がいることで多様性が生まれるのは社会だけでなく、フットボールも同じです。

日本でも鈴木武蔵やオナイウ阿道など、ユース年代で活躍する選手が出てきましたが、まずはそうした選手たちが活躍できる、より開けた環境作りが必要かもしれません。

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