働き方支える保育園 箱根・富士屋ホテルが開所

 ホテル従業員らの多様な働き方を支えようと、富士屋ホテル(神奈川県箱根町宮ノ下、勝俣伸社長)は今月、企業主導型保育施設「富士屋ホテル保育園」を開所した。同ホテルの従業員だけでなく、近隣の旅館従業員ら向けに地元の枠も半分設けているという。担当の同社ダイバーシティ推進室は「子育てしながら働ける環境づくりに少しでもお役に立てば」と話している。

 企業主導型保育事業は、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を目的に設けられた国の制度。横浜市の保育園運営会社「フェアリーランド」が運営を担い、富士屋ホテルが供出金を負担して活用する。

 保育園が開設されたのは、湯本にある富士屋ホテルそばのマンションの1階約70平方メートル。箱根町でも定員が少ないという0歳が3人、1〜2歳が9人の定員12人で、8人の保育士が交代で勤務する。

 365日年中無休で、午前7時半から午後8時半までの最長13時間の長時間保育が可能。給食やおやつ支給でオムツや布団も完備して、月額保育料4万円という。

 長年平塚市内で保育士として勤めていた加藤恵園長(63)は「これまで大規模保育園だったので、規模の小さな保育園で家庭的な雰囲気の中、仲間と新しい保育園をつくっていきたい」と抱負を語った。

 年度途中の開園だったため入園者はまだ1人だが、富士屋ホテルでは育児休暇が明けて復職する社員は毎年2〜3人で、来春ぐらいには7人ほどに達するという。「途中で転園するのは難しいので、徐々に広げたい。休日の一時預かりなどもニーズが高いので今後取り組みたい」と同社では話している。

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