南武線立体交差の工法報告 川崎市都市計画審議会

 川崎市は30日の市都市計画審議会で、JR南武線の連続立体交差事業(武蔵小杉−矢向駅間、約4・5キロ)の構造・工法に関して比較検討の結果、「仮線高架工法」が最も優位な工法であると報告した。

 同工法は、現在運行している線路を一時的に幅6〜8メートルの仮線路に切り替え、空いた線路敷きに高架構造物を建設する工法。

 市は、電車の運行を継続しながら線路上空に高架構造物を建設する工法「仮線高架プラス直上高架」、線路直下にトンネルを建設する工法「地下直下」と比較し、経済性や環境面に優れていると説明した。

 具体的には、概算事業費が約1185億円と最も安価となる▽横浜市域も含めて尻手−武蔵小杉駅間にある13の踏切を全て除却できる▽移転が必要となる買収対象建物が約400戸と最も少ない−などを理由として挙げた。高架完成後は買収した仮線用地を道路として活用する。

 市は今後、工法を正式決定した上で、2018年度末の都市計画決定を目指している。完成は最短で33年を想定している。

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