新日鉄住金、ステンレス製熱押形鋼レールを下水処理施設向けに拡販

 新日鉄住金は、熱間押出製法で製造するステンレス製レールを下水処理施設の汚泥掻寄機部材向けに拡販を図っている。耐腐食性やメンテナンス・フリー、施工性などでメリットがあり、東京都や横浜市などですでに採用実績がある。今後は全国展開を目指して、営業活動を拡大していく方針だ。

 下水処理施設に集められた汚水は、一度沈澱池に貯められる。沈澱池の底に汚泥を堆積させ、掻寄機で汚泥だけ取り除く。

 掻寄機の稼働用に使用されるレールは、従来は普通鋼のレール上部にステンレス平鋼を溶接した製品が採用されていた。ただ近年、耐食性に優れてメンテナンス・フリーのメリットがあるステンレス製熱押形鋼レールが採用されるケースが増えてきた。

 新日鉄住金はステンレス製熱押形鋼レールについて、16年度は約2万1475メートルの製造実績がある。今後3年間で、約3倍の6万4千メートル超にまで拡大させる。

 関東を中心に大規模な下水道事業対に対して、既設のリプレース需要を捕捉。ステンレス製レールのPRと提案営業を推進していく。

 熱押形鋼は、熱間押出製法で製造する形鋼。約1200度に加熱した鋼片を金型であるダイスに押し当てて成形する。ダイスの形状によってさまざまな成形が可能で、圧延では難しい複雑形状の形鋼も生産可能。多品種少量生産に適している。新日鉄住金は、大分製鉄所光地区(山口県光市)で製造している。

© 株式会社鉄鋼新聞社