UACJ・福井製造所、車用アルミパネルライン新設 160億円投資、年産能力10万トン

 UACJ(社長・岡田満氏)は30日、総額160億円を投じて福井製造所(福井県坂井市)に自動車用アルミパネルの仕上げラインを新設すると発表した。年産能力10万トン規模の最新鋭設備を導入し、国内外で本格化する自動車の軽量化需要を補足する。20年1月からの稼働を目指す。

 UACJは福井製造所内に新たな建屋を建設し、連続熱処理設備(CPL)や連続表面処理設備(CCL)、スリッターなどの設備を新設する。UACJが国内で自動車パネル専用の仕上げラインを導入するのは初めて。

 UACJは国内の生産体制最適化を進めるにあたり、名古屋製造所に自動車パネル材の生産ラインを集約していたが、製造所の手狭感や増産するための圧延能力不足が課題に挙がっていた。こうした中、中長期的に需要の拡大が期待される自動車パネル材の生産の生産能力を引き上げるため、溶解鋳造や圧延能力(上工程)やスペース面で余力がある福井製造所に連続熱処理、表面処理ラインを導入することが適切だと判断した。

 UACJは自動車パネルの国内市場においてシェア5割を占める。名古屋製造所に加えて一部を深谷製造所で生産しており、現在の生産能力は3万3千トン。海外では米国ケンタッキー州で蘭コンステリウムと年産10万トン規模の合弁仕上げ工場を展開している。今回の設備が稼働することでUACJは国内で13万3千トン、海外で10万トン(コンステリウム持ち分合計)の自動車パネル生産能力を有することとなる。

 なお設備投資資金は、自己資金と必要に応じて金融機関などから調達する予定。

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