〔霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)〕火口周辺に影響を及ぼす噴火の可能性下がる 噴火警戒レベル1に引下げ(10/31)

火山性地震の増加や傾斜変動などが観測され、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火の発生の可能性があるとして、今年5月9日から噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げられていた宮崎・鹿児島県境の霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)について、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、傾斜変動が停滞し、火口内やその周辺での熱異常域が縮小したことなどから、火口周辺へ影響を及ぼすような噴火の可能性は低くなったとして、31日14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げる噴火予報を発表しました。
なお、気象台では、硫黄山火口内での活発な噴気域および熱異常域とその周囲概ね100mの範囲では、噴気孔からの高温の土砂や噴気、熱水等の規模の小さな噴出活動や火山ガスに十分注意し、地元自治体の立ち入り規制に従い、火口周辺や噴気孔の近くに留まらないよう呼びかけています。

◆用語解説「噴火警戒レベル」
・火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲や、とるべき防災対応を5段階に区分して発表する指標で、避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる。
【レベル1(活火山であることに留意)】状況に応じて火口内への立入規制等。

◆霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の最近の火山活動の状況
・2013年12月頃より火山性地震が時々発生。

<2014年>
・08/20 継続時間が約7分の火山性微動が発生。この周辺で火山性微動を観測したのは初めて。
・10/24 火口周辺警報(火口周辺危険)を発表。

<2015年>
・05/01 火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(平常(現在の「活火山であることに留意」))に引下げ。

<2016年>
・01/02 継続時間約2分30秒の振幅の小さな火山性微動が発生。この周辺で火山性微動が発生したのは2015年10月31日以来。
・02/28 周辺の浅いところを震源とする火山性地震が増加したことから、噴火予報(活火山であることに留意)を火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ。
・03/29 火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(活火山であることに留意)に引下げ。
 
・12/06 噴火警戒レベル導入運用開始。
・12/12 11:00過ぎから火山性地震が増加 11:40、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。

<2017年>
・01/13 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

・04/25 硫黄山周辺の一部の観測点で傾斜変動を観測。噴気の量も増加。
・05/08 東京大学地震研究所の現地調査により、硫黄山火口内で噴出物を確認。
・05/09 19:20、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。
・09/05 13:29、硫黄山付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が発生し、えびの高原でわずかに身体に感じる揺れを観測。火山性地震も14:00までの1時間に50回観測される。
・09/08 噴気が稜線上300m以上に上がる。9月中旬以降は稜線上概ね100m以下に低下。
・10/31 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

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