地元の民話を紙芝居に「『ほどがや』えかたり〜べ」

 横浜市立笹山小学校(同市保土ケ谷区、三瓶徹校長)で31日、区内の民話を掘り起こし、手作りのオリジナル紙芝居で伝える「『ほどがや』えかたり〜べ」の口演が開かれた。児童は校内で地域住民らが運営する歴史資料室「ふるさと上菅田 ささやま丘の上ミュージアム」に集まり、昔の農機具や生活用具に囲まれながら、地元に伝わる昔話に聞き入った。

 えかたり〜べのメンバーが同校で読み聞かせボランティアに参加している縁で、地域への愛着を深めるために初めて開かれた。

 5、6年生の35人は、地元の上菅田町の実話だという「上菅田の孝行娘 もん」と、「真っ二つにされた大蛇」の2作を鑑賞した。「上菅田の孝行娘」は、幼くして両親を亡くした少女もんが、育ててくれた祖母をいたわりながら懸命に働き、祖母の死後に地頭から褒美を受けるという物語。子どもたちは、自分が住む街や近隣地域の名前が出てくる紙芝居に、真剣な表情で見入った。

 6年生の高柳琥珀(こはく)さん(11)は、「地域の民話を聞いたことはあまりなかった。家に帰ったら、家族にこんな話があると伝えたい」と話していた。えかたり〜べ代表の篠崎顕一さん(74)は、「地元の人も民話を知らないことが増えてきている。子どもに聞いてもらうことの意義は大きい。大人になってからこんな話を聞いたなと思い出して、ふるさとを思う心を残してもらいたい」と目を細めていた。

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