夢の舞台 胸高鳴らせ ベイ一筋の車椅子女性「楽しくて」ハマスタ通い

 19年ぶりの日本一を目指して横浜DeNAベイスターズが31日に横浜市中区の横浜スタジアムで戦った日本シリーズ第3戦。電動車椅子でホームゲームに連日足を運んできた歩さん(42)はこの日もスタンドで声をからした。

 「ハマスタがここまで青く染まるときがくるなんて…」。過去10年ほど、横浜スタジアムには電動車椅子で駆け付け、ほぼ全試合観戦しているという歩さん=東京都大田区=は、そう言って感慨に浸った。

 祖父、母と3代続けてホエールズ、ベイスターズ一筋だ。物心ついたころにはハマスタで声援を送っていたというが、原因不明の足の痛みを最初に感じたのは中学時代。20歳の時に立ち上がれなくなったという。

 診断結果は線維筋痛症とリウマチ。しばらくベッドから起き上がれず、ほぼ寝たきりだった19年前、ベイスターズが38年ぶりの日本一に輝いた。「もう本当にものすごかった」。テレビで見たヒーローたちの姿は今も胸に刻まれている。

 球場の熱気、選手たちの頑張り。ベイスターズの全てが心の支えだ。「やっぱり楽しいから。ちょっとくらい遠くても関係ない。生活の一部ですね」。試合中は一眼レフカメラを手に、1試合で3千枚を撮影することもある。「もう何枚撮ったか分からない」。ひいきの井納翔一投手の写真が宝物だ。

 チームが強くなってファンも増え、横浜スタジアムに6席ある車椅子席のチケットは取りづらくなった。「席が取れなくても球場には行く。試合後、ファン仲間のおじちゃんに飲みに連れて行ってもらったり」 強豪ソフトバンクを相手に厳しい試合が続くが、「こうして日本シリーズのことをしゃべっている時点ですごいことですよね。どんな試合でもいいから勝ってほしい。日本一を見たいです」。その瞬間まで、スタジアムで声援を送る。

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