三井金属のマレーシア工場、極薄銅箔新ラインを前倒し稼働

 三井金属は31日、マレーシア工場で増設を進めていたキャリア付極薄銅箔の新ラインを3カ月前倒しで稼働させたと発表した。

 当初予定は2018年1月だった。スマートフォン用の電子基板が主力需要。端末の高性能化が進み、微細な回路が形成できる同社の極薄銅箔が使われる基板の種類が増えて需要が急増。顧客のニーズに迅速に対応するため準備を急ぎ、稼働を前倒しした。

 設備の増設でマレーシア工場のキャリア付極薄銅箔の生産能力は月産120万平方メートルに倍増した。

 同社のキャリア付き極薄銅箔マイクロ・シンは厚み1・5~5ミクロンの製品。持ち運びに用いるキャリア銅箔上に製箔して製造する。スマートフォン端末内で情報処理を行う半導体のアプリケーションプロセッサや、メモリなどを実装する電子基板に用いられており同社は世界で9割以上のシェアを握っている。スマートフォンの高機能化に伴い端末内の一般的な電子基板であるマザーボードでもマイクロ・シンの適用が進んだことから需要が急増している。

 今回稼働したのはマレーシア工場での第一期投資。第二期投資も予定しており、マイクロ・シンの生産能力を18年7月に月間180万平方メートルに増やす。現在第二期投資はスケジュール通り進行している。

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